大分移住手帖

大分県の魅力ある多様な保育環境

Tomoe Sato

親子で移住を考えている方にとって、「待機児童はいるのか?」「どんな保育園があるのか?」というような、子育てに関する情報はとても気になるところ。大分県は「子育て満足度日本一」を目指しており、子育て支援に力を入れています。

また、大分県にある豊かな自然環境を活かした保育や、モンテッソーリシュタイナー教育サドベリースクールなど多様な教育手法を導入し、実践しているところもあります。

今回は、大分県の保育事情と、独自にピックアップした個性豊かで特徴のある保育園をご紹介します。

 

大分県の子育て事情

大分県は「子育て満足度日本一」を目指している

大分県の子育て支援の一つに「子どもの医療費助成」があります。未就学児は通院・入院医療費が全額無料、小中学生は、入院医療費は全市町村で無料、通院医療費についても、一部の市町村で助成制度があります。

また、お子さんが生まれたご家庭に絵本の購入や任意の予防接種などに使うことが出来る「子育てほっとクーポン」を交付しています。その他、子育て世代が移住する際に応援金がでる市町村などもありますので、移住を希望する市町村に問い合わせてみることをお勧めします。

 

待機児童について

子育て世代にとって、とても気になる「待機児童」という言葉。入れたくてもなかなか保育園に入れることができず、働きに出たくても出にくくなるなど、社会問題にもなっています。

そんな中、保育士の確保や認定こども園の新設などにより、大分県の令和3年4月1日時点での待機児童数は、なんと“0”。

とはいえ、大分県に限らず、年度途中から待機児童は増える傾向にあるのだとか。

また、希望する保育園に必ず入れるかと言うと地域によって差があります。やはり、特色ある保育園や、交通アクセスの良い保育園は競争率が高いようです。送り迎えなどの交通の利便性を優先するか、特色ある保育・教育を行っているところを選ぶかなど、子どもを預ける上で何を優先するかを考えて保育園選びをすると良いでしょう。詳しくは、移住を希望する市町村に事前にご確認ください。

 

子どもを預かるさまざまな施設

子どもを預かる施設にも、様々な種類があることをご存知ですか?ここ大分県にも多様な施設があり、種類によって預け方や要件が変わってくるためそれぞれの施設の特徴を知っておくと便利です。

■幼稚園

幼稚園は満3歳児から小学校就学前までを対象に子どもを預かる教育施設。利用時間はおおむね午前9時~午後1時まで。幼稚園のメリットはやはり教育カリキュラムが豊富なところ。園によっては午後6時まで預かり保育を行っているところもあるので要チェック。

■保育所

保護者が就労や病気などのために、子どもの保育ができないときに、子どもを預かる児童福祉施設。対象は0歳(生後3ヶ月以上)~小学校就学前の子ども。利用時間はおおむね午前7~午後6時まで。園によっては午後8時30分まで延長保育を行っているところもある。0歳から預けられるので働いている親にとって強い味方。

■認定こども園

幼稚園と保育所の両方の機能を合わせもち、幼児教育と保育を行うとともに地域の子育て支援も行っている。幼保連携型や幼稚園型など認定こども園にも種類がありますが、0~3歳未満に保育を行い、3歳以上は幼稚園の教育へ切り替え、延長保育も提供している。保護者の就労状況に関わりなく、就学前の学校教育・保育を一体的に受けられることがメリット。

■地域型保育事業

【保育ママ】

0~2歳が対象であり、家庭的な雰囲気のもと2,3人の少人数にきめ細かな保育を行う。保育ママの自宅などでの預かりとなるため、アットホームな環境で預かってもらえる。また少人数預かりなので病気が流行りにくいというメリットも。

【小規模保育事業】

0~2歳が対象であり、6人から19人の少人数を対象に比較的小規模できめ細かな保育を行う。小規模なので比較的プログラムを自由に組むことができる。それぞれの子どもの特徴に合わせた保育がしやすい。

【事業所内保育事業】

0~2歳が対象であり、事業所の保育施設など、企業の従業員の子どもと地域の子どもを一緒にした保育を行う。

 

モンテッソーリ教育を取り入れている「大分カトリック学園」

出典:日本モンテッソーリ教育綜合研究所

大分県にも多様な教育方法を取り入れている園が数多くあります。子育て環境を考えるときに一つの指標となっている場合も多いですよね。例えば「モンテッソーリ教育」。言葉は聞いたことがあるかもしれません。モンテッソーリ教育と言えば、将棋の藤井颯太さんが幼少期に受けていたことでも話題になりましたが、「子どもには自分で自分を教育する力がある」という「自己教育力」の考えをベースにした教育法です。能動的な行動や積極性が身につくと言われています。そんなモンテッソーリ教育を保育の中に活用しているこども園をご紹介します。

大分カトリック学園

地域  :大分市・日田市・玖珠町・津久見市・臼杵市・佐伯市

施設形態:認定こども園

設置主体:大分カトリック学園

特徴  :大分カトリック学園が運営する幼稚園の中で、8か所が認定こども園となっています。大分カトリック学園はキリスト教精神に基づき、モンテッソーリ教育の教育理念を取り入れた幼児教育を行っています。普段の活動のことを「おしごと」と呼び、その活動を通して集中力や自主性を養います。た縦割りクラスにより小さい子への思いやりや優しさが自然に育まれます。キリスト教ならではの聖母祭やクリスマス会も盛り上がるそうです。

各地域の園によって特徴が異なりますので、お問い合わせの上見学されてください。

URL:認定こども園大分カトリック海聖幼稚園(大分市)

   認定こども園大分カトリック明野幼稚園(大分市)

   認定こども園カトリック日田幼稚園(日田市)

   認定こども園カトリック玖珠幼稚園(玖珠町)

   認定こども園カトリック鶴崎幼稚園(大分市)

   認定こども園カトリック津久見幼稚園(津久見市)

   認定こども園カトリック臼杵幼稚園(臼杵市)

   認定こども園カトリック佐伯幼稚園(佐伯市)

 

本物の英語に触れてグローバルな人となる「パシフィックイングリッシュスクール」

出典:パシフィックイングリッシュスクール

日本は先進国の中で英語力が低く、今後更にグローバルな人材を作り出していくためにも政府の政策で2020年より小学3年生から外国語活動が始まり、小学5年生には英語が科目として追加されました。

ここでは、大分県にある英語を学べる特徴的な園をご紹介します。

パシフィックイングリッシュスクール

パシフィックイングリッシュスクールの授業の様子

地域  :大分市

施設形態:認可外保育園

設置主体:株式会社パシフィック・イングリッシュ

特徴  :パシフィックイングリッシュは20名を超える外国人教師と幼児が英語で園生活を送ることにより英語脳で考え会話する力を育てます。また大分初であるSTEAM教育(プログラミング・工作・さんすう・算盤)を取り入れ、体育、チアリーディング、鍵盤ハーモニカなど日課活動及び、校外学習として農業体験など幅広い体験を通じて好奇心と探究心を育成しています。

園生活を通して4歳前後までに右脳的に蓄積された会話能力を左脳でも処理できるようトレーニングすることで小学校移行後も子どもに負担をかけることなく英語力を伸ばしていくことができます。パシフィックイングリッシュにお子さんを通わせるために大分に移住されてきた方もいるとか。幼児期からお子さんの英語教育に力を入れたい方はぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

URL:パシフィックイングリッシュスクール

 

1人1人の個性を強みに。シュタイナー教育を取り入れている保育園

出典:こどものにわ楓

ドイツ発祥のシュタイナー教育は俳優の斎藤工さんも学んだとされる、「からだ」と「こころ」と「あたま」のバランスを大切にする教育法です。

学力向上より人間形成に重きを置いており、子どもは一貫した自分の考えを持って育ちやすいのだとか。そんな教育法を取り入れている保育園を2つご紹介します。

こどものにわ楓

こどものにわ楓園庭

地域  :湯布院

施設形態:認可外保育園

設置主体:(株)九十

特徴  :開園して22年たつ「こどものにわ楓」は、シュタイナー教育をもとにひとりひとりの成長に寄り添っていけるような、小人数の家庭的な雰囲気の園作りを心掛けています。園では自然に存分に触れて、五感や情緒が豊かに育つ環境を作ることで、子ども達が自ら遊びを見つけ、動き出す姿を見守り大切にしてきました。園舎や遊具は細部にこだわり、できるだけ木や自然物を基調としたものを使っています。また給食は、自然本来の味を大切にしており、マクロビオティックで季節にそった手作りのものを準備しています。

URL:こどものにわ楓

おひさまのたまご

おひさまのたまご園庭

地域  :豊後大野市

施設形態:認可外保育園

設置者 :佐藤容子

特徴  :シュタイナー教育を学びつつ活動として実践しているアットホームな保育園です。「自然の中で子どもの育ちを守る」という保育理念のもと、毎日の生活リズムや子どもの思いを尊重し子ども自身の育ちを見守ることを大切にしています。畑仕事や山や川への遠足、また「にじみ絵」など曜日毎に活動を変えています。給食はお弁当持参ですが、毎週火曜日は「クッキング」の活動の一貫として、子ども達もパンを捏ねたり野菜を切ったりするなど一緒に昼食を作ります。クッキングと毎日のおやつの食材は、有機無農薬の食材を使うと化学調味料を使わない食事を大切にしています。
里山の豊かな自然の中であたたかい地域のみなさんとお子さんを育てたい方はぜひお問い合わせの上見学されてみてはいかがでしょうか。

連絡先:0974-22-0238(8時半〜9時、15時半〜16時半が連絡がつきやすいです)

 

こどもの発達を大切にした日本独自の保育方法、さくらさくらんぼ保育

出典:如水こども園

 

島根県生まれの斎藤公子さんが始めたさくらさくらんぼ保育は「豊かな感性・あふれる意欲・仲間を思いやる気持ち」をモットーに子どもの発達段階を大切にする保育として始まり、60年経った現在日本全国に広がっている保育方法です。

リズム体操やマット運動をはじめ、生活のリズムと旬の食材を使い3食しっかり食べることなどを大切にしています。そんな保育方法を取り入れている保育園を2つご紹介します。

上野愛光保育園

地域  :大分市

施設形態:私立認可保育園

設置主体:社会福祉法人 愛光会

特徴  :自然豊かな実体験の中で子どもの五感を育み、感動のある園での生活を送ることを大切にしています。
乳児には布おむつを使用し、テレビがない環境で毎日裸足で全身を使いながらたくさん遊ばせてくれます。給食は旬の食材を中心におやつも全て手作りで家庭の味にこだわり、容器もプラスチックではなく陶器のものを使用しています。

令和2年には上野愛光第二保育園も増設されました。

URL:上野愛光保育園

如水こども園

如水こども園園庭

地域  :中津市

施設形態:幼保連携型認定こども園

設置主体:社会福祉法人 如水福祉会

特徴  :「こどもをまん中に」を保育理念とし、豊かな生活体験を通してしなやかな心と体を育てることを大切にしています。また、園児たちを昼間の兄弟姉妹(ひるまのきょうだい)と呼び、こどもも大人もみんなで育ちあうことを大事にしています。

木を基調とした広い施設と園庭をもち、子どもは毎日泥だらけになりながら自然とたくさんふれあい過ごすことができます。給食も手作りの和食を中心に無添加のものを準備してくれます。

URL:如水こども園

 

自然とともに豊かな人間性をはぐくむ「森のようちえん」

出典:おひさまのはら

 

森のようちえんとは、自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼児期教育の総呼です。自然の中での遊びを通して、子どもが主体的に考え、行動できる力の育成を大切にしています。大分県で「森のようちえん」を取り入れている保育園をご紹介します。

おひさまのはら

おひさまのはら活動の様子

地域  :日田市

施設形態:私立認可外保育園

設置者 :折居 弘滋

特徴  :折居弘滋さんと公美乃さんご夫妻が運営するおひさまのはらは、「自分で気づき、感じ、考え、行動する!」を理念に、自然豊かな屋外での活動を中心に行っています。自然の中で自分の五感を使いたくさんの経験を積むこと、また自分の意思で行動を起こすことができるよう安全に配慮しながら見守り育てることを大切にしています。

現在は約17名の園児が在籍し、週5日保育となっています。日々の活動の様子をInstagramやFacebookでたくさんの写真とともに紹介されています。自然豊かな大分県で、お子さんの自主性を大切にしたい方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

URL:おひさまのはら

 

おわりに

今回紹介した保育園は大分県にある保育園のほんの一部でしたが、みなさんの求める子育て環境はありましたか?大分県と一言で言っても、地域によって子育て環境は様々です。育てる環境が変われば新たな子どもの一面を知れるかも⁉自然豊かな環境で、親も一緒にのびのびと育っていける環境に巡り会えるかもしれません。

大分県には、上記に載せた保育園以外にも、特徴的な保育理念をもつ施設がたくさんあります。気になる施設があればぜひ一度見学してみてください。都心部ではなかなかできない広々とした園庭など、入園前に実際に体感してもらうことをおすすめします。大分県の子育て情報をもっと知りたい方は、ぜひ大分県こども未来課HPをご覧ください。

WRITER 記事を書いた人

Tomoe Sato

大分生まれ、大分育ちの根っからの大分人。現在は子育てをしながら趣味の延長線でライターとして活動している。

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