大分移住手帖

大分県で働こう!~カフェ開業編~ 大分県でカフェを開業するには? ーcoffee 5の場合ー

Tomomi Imai

取材者情報

お名前
内田 豪
出身地・前住所
出身地:大分県佐伯市
前住所:東京都
現住所
現住所:大分県佐伯市
年齢
37歳
家族構成
家族:3人
職業
coffee 5店長
Facebook
https://www.facebook.com/coffee 5.go/
Instagram
https://www.instagram.com/_coffee 5/

移住した後、会社員を辞め個人で独立したいと思っている方は少なくないはず。大分県へ移住された方も、様々な形で起業されている方々がいます。特に「カフェ開業」は大分県に限らず、人気の開業スタイルの1つです。大分県でカフェを開業する流れは?またどれくらい費用や計画が必要なのか?そんな観点で佐伯市にUターンしカフェを開業した「coffee 5(コーヒーゴ)」の店主内田さんにお話を伺いました。

カフェを開業するなら「食品衛生責任者」は絶対

カフェを開業するにあたり、必要なのが「食品衛生責任者」という資格です。これはカフェに限らず、飲食店を開業・経営する上でなくてはならない資格で、各地で講習会が開かれており、講習を修了すれば取ることができます。食品衛生責任者は1店舗につき1名設置しなければなりません。また、飲食営業を行うために必要な「飲食店営業許可」を保健所にて取る上で、この資格が必要になります。17歳以上(※自治体によっては高校生は不可)であれば学歴などに関係なく、誰でも簡単に取ることができます。受講料は自治体によって異なりますが、1万円前後です。また、学校で調理師や栄養士、食品衛生管理者の資格を既に取得している方は、受講が免除されます。カフェを開業しようと思った方はまずは取得しておくことがおすすめです。また、パンやスイーツを販売する場合など、他にも資格が必要なことがあります。

大分県の食品衛生責任者講習スケジュール及び応募方法はこちら
http://www.oita-shokkyo.jp/license/

開業までの道のりーcoffee 5の場合ー

資格取得だけではいきなり開業!とはいきません。100軒あれば100通りの開業ストーリーがあるとも言われています。そこで、実際に計画から開業、運営に至るまでにどのような経緯があるのか、coffee 5の内田さんにお話を伺いしました。

帰る度に集まる場所が減っていることに気がつく

佐伯市で生まれた内田さん。高校卒業と同時に東京都へ行き、駄菓子関係の企業で営業として働きつつも、音楽活動に邁進していました。東京都での生活を満喫していた内田さん。上京してからも時々は佐伯市に帰って来ていたそうですが、帰る度に人が集まる場所が減っていることが気になったのだとか。また、20代後半に差し掛かり、地元の同世代から「地元に希望する仕事が無かったりして、帰りたくても帰れない」という声を聞くようになったそう。そういったことから「自分が帰ることでみんなが帰れる理由を作りたい」と思ったそうです。

 

内田:昔は田舎なりに集まる場所があったんですが、どんどん無くなっていました。例えばコトブキヤというお店はまさにそれでみんなが集まっていました。学生時代、佐伯市で過ごした日々はとても楽しかったという記憶があり、自分の後輩たちもいつか外に出るとしても、戻って来れる場所を作りたいと思ったんです。今から10年前にUターンしようと決めました。

祖父の田んぼがあった場所でカフェ開業を決意

1冊だけ作ったという開業までのあゆみがわかる本

カフェを開業するにあたり、子どもの頃に遊んでいたような懐かしい場所でやりたいと思っていました。ちょうど祖父が稲作を辞めるということで空き地になろうとしていた田んぼがあり、ここでカフェをやろうと決め、27歳の時に会社も辞め、帰ってきました。

資金調達は金融公庫を頼る

Uターンしてからもアルバイトなどをしながら資金は貯めていたものの、思い切って開業資金を借りようと、大分市にある日本政策金融公庫へ足を運んだ内田さん。当時は今ほど商工会議所なども活発でなかったようで、どうにか自分で事業計画書を記載して提出したそうです。事業計画書を書く際、地元の仲の良い寿司屋に相談に行き、書き方を教わったのだとか。35枚にもなった計画書を持っていったところ、飲食業組合を紹介してもらい、創業支援金を借りられたのだとか。返済も10年と長いスパンで考えられるのが良かったそうです。

設計は女性の目線を入れ、地元の大工に依頼。

内田さんが構想した図面。スタッフの服の想定などもあった。

店舗建設に向け設計士を探し始めた内田さん。カフェということもあり、女性目線を取り入れたかったため、インターネット検索で「女性 建築士」などと入力して探したそうです。そこで見つけた福岡の設計士である宮城雅子さんにお願いしました。

内田:女性はもちろん老若男女どんな方でも気軽に来れるカフェを目指しました。宮城さんはパリに行っていたり、「こどもcafe」を展開していたりと多様な視点を持っているところがいいなと思いました。デザインに関しては、奈良にある「くるみの木」を少し参考にさせてもらいました。

内田さんが構想した内容を宮城さんが設計に落とし、それを地元の大工さんが形にしていくという流れで、いよいよcoffee 5建設がスタートしました。大変だったのが設計内容のすり合わせだったとか。当時は今ほどIT化が進んでおらず、紙でのやり取りが中心だったため、福岡県と佐伯市でやり取りするのに苦労したそう。しかし、着工以降はとてもスムーズだったそうです。

宮城さんが起こした図面にびっしりメモが。植栽の位置も相談しながら決めた。

設計に1年。施工に1年半。

建具は福岡県にあるアンティークショップ「イール」で購入し、地元の建具屋さんにお願いして合わせてもらったそうです。植栽は種類を自分で選び、同じく地元の造園業の方に運搬を手伝ってもらったそう。

美しいcoffee 5の店内ですが、内装には200万円程度しかかかっていないそう。古いものをうまく使ったり、宮城設計士が空間に合うテーブルを作ってくれたりしたので費用を抑えられたとのこと。また、宮城さんの夫で建築士の町谷さんも途中から参加し、一緒に施工してくれたそうです。店内で一際目を引く一枚板のカウンターは内田さん自らも一緒に磨いたとか。

大きな窓から日の光が差し込み心地よい店内

 

宮城設計士が作ってくれたテーブル

施工を手伝う町谷氏

コーヒーはネルドリップ。Cafe de LAMBLEを参考に。

コーヒーを淹れる内田さん

内田さんのカフェでは、ネルドリップ方式でコーヒーを淹れます。そのため大きなエスプレッソマシンは店内にありません。東京都にある、コーヒー業界で有名な「銀座CAFE DE LAMBRE」というお店の名前を受け継いだ「CAFE DE LAMBLE 」が佐伯市にあり、その味に親しんでいたという内田さん。今回カフェをオープンするにあたり、提供するコーヒーやメニューはここをイメージし、実際に相談にも伺ったそうです。

内田:メニューは佐伯市の「CAFE DE LAMBLE」の喫茶店の味を参考にしています。親戚のように親しくしてもらっていて、開業にあたっても、オーナーに相談に行きました。計画書を書くのに、未経験の僕は書類の書き方がわからなかったのですが、オーナーが実際に使っている会計資料を参考にさせてもらい、コーヒーの価格も相談しました。coffee 5ではコーヒーを買うというより、空間にいる時間を買ってもらいたいと思い、少し高めの1杯550円にしました。

家族も手伝ってくれた

行く度に綺麗に生けられている花は、内田さんのお母さんの趣味 via:Facebook

開業時から今まで家族総出で手伝ってくれ、例えば洋裁が得意な祖母が店舗のカーテンなどを作ってくれたのだとか。また、店内のいたるところにいつも素敵な花が生けられているcoffee 5ですが、生けているのは内田さんのお母さん

内田:母はここで花を生けるのがもはや生きがいになっていますね。

祖母が作ってくれたカーテンシェードは日が強い日に使っているそう。

大変だったのは不動産登記の手続き

お店の設計や施工自体は順調に進んだものの、不動産登記の手続きが大変だったそう。Coffee5の土地は、元々内田さんの祖父名義の農地だったため、自分名義に変更しようとするも、相続の関係でできなかったり、店を建てるために農地転用をしないといけなかったりと、苦労したそうです。登記に関する手続きは、飲食業組合などが手伝えない部分だったので、全て自分で行ったのだとか。

coffee 5は自分のライフスタイルと好きな物が集まった場所

コーヒーと共にいただくスイーツも美味しい

1年目はコーヒーを出すことだけに注力した内田さん。最初の半年は順調でしたが、夏に差し掛かりガクッと売上が下がって焦ったのだとか。そこで、元々やりたかった音楽イベントを始めたそう。月に何本もライブなどをやることで、繋がりが一気に増え、普段来ない人が来るようになったとのこと。他にも、近所の人を呼んでメニュー等に関する率直な意見を聞いて反映したのだとか。そうした取り組みもあってか、徐々にお客さんも増えていったそうです。

内田:オープン当初高校生だった子が、進学で佐伯市を離れたものの、その後戻ってきてくれたりするのが嬉しいですね。売り上げは今安定していますが、僕は積極的に色々なことに挑戦したいタイプなので、保守的にならずどんどん面白いことをしていきたいですね。

佐伯市で商売する人がもっと増えてほしい。

フォトグラファーのスタッフが店内で展示をしたり。気軽にいろいろなことを相談できる場所。via:PHOTO J

佐伯市は、ポジティブで新しいことを始める上で応援してくれる人が多いと感じるという内田さん。佐伯市の人のこの気質に支えられて、カフェ開業から現在の運営に至るまで様々なことで助けられたと言います。小さな困りごとがあっても、それを一緒に相談して解決していける風土が魅力的なのだとか。

この町の課題としては、「お金を作る感覚をみんなが持てるようになると良い」と感じている内田さん。

内田:ポジティブな人が多い佐伯市だからこそ、移住者の方にはどんどん起業などに挑戦してほしいですね。僕自身も前向きな性格で、新しく何かを始めるのが好きなので、頼ってくれたら嬉しいですよね。佐伯市はクリエイターの方が少ないので、そういう方が来てくれると手伝えることは結構あると思います。

最後に

今回の開業ストーリーはあくまで一例ですが、カフェを開業するには、必要な資格の取得、資金調達、不動産関係の手続き、設計士探し、施行準備などの段階を踏んでいくことが分かりました。内田さんの場合は、様々なステップを踏む段階で、設計士さんに協力してもらったり、地域の方を巻き込んだりしながらコストダウンを図り、かつ将来のお客さんに繋げるなどの工夫をされていたのが印象的でした。カフェ開業に関心のある方は、佐伯市を訪れた際、ぜひcoffee 5に立ち寄って実際の話を聞いてみてください。 

PHOTO

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FACILITIE

帰りたくなる兄貴のコーヒー屋

open/close
火水木日 11:00-18:00
金土   11:00-21:00
定休日 月曜
(祝日の場合は営業、翌日定休)

coffee 5

876-0025 大分県佐伯市池田1184-1

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WRITER 記事を書いた人

Tomomi Imai

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snufkiins LLC. 代表社員
離島移住計画 代表
Re-harmo PJ オーナー
25歳でフリーランスとして独立し、多様な分野にてプロデュースやディレクター業を経験。モノコトヒトをつなぐひと。多様な伴走を得意とする。国内外問わず事務局代行・企画編集など多様な業界を経て2018年に法人化。長崎県上五島にてキャンプ場兼カフェ「Re-harmo PJ」を展開し、島に仕事や場を作ったり。絶賛子育て中。ヨガ・サーフィン・音楽・映画・コーヒー・日曜大工が趣味。

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