大分移住手帖

天辰さんの写真

憧れの暮らしとは違えども。「ここで何をやりたいか」を突き詰めて、離島で働き、生きていく。

fujiwara

取材者情報

お名前
天辰幸洋(あまだつ ゆきひろ)
出身地・前住所
出身地:鹿児島県薩摩川内市
前住所:福岡県福岡市
現住所
東国東郡姫島村
年齢
42
家族構成
職業
姫島ITアイランドセンター長

テクノロジーの進化により活性化するリモートワーク。コロナ禍の影響もあり、人々にとって場の概念が変化したことから、“オフィスではない場所で働く”という働き方が一般化なりつつあります。さらに休暇を楽しみながら仕事をする「ワーケーション」という言葉も登場し、今後自分の居心地の良い場所で働くというスタイルが注目を浴びています。

姫島村では2018年に「姫島ITアイランド構想」というプロジェクトを打ち出しました。村の主要産業である水産業の衰退や高齢化など地域課題を解決する一助として、県内外のIT企業・人材を誘致。リモートワークの推進に取り組んでいます。

今回ご紹介するのは、「姫島ITアイランド構想」により姫島村にオフィスを構えた「Ruby開発」でシステムエンジニアとして働く天辰幸洋さん。

今話題のリモートワークをしながら、離島で働く暮らしについて伺いました。

姫島ITアイランドセンターの外観

 

島暮らしに憧れて。

「大学のときからダイビングをやっていたので、いつかは島で働きながら休日にダイビングを楽しむという生活を送りたくて」

島で暮らす人生設計を立てた天辰さんは、パソコンさえあればどこでも働くことができるシステムエンジニアの道へ進むことを決意。東京や福岡でIT企業に勤め、研鑽を積んでいました。

 

姫島ITアイランドセンターの内観

そんなある日、知人から「姫島村という離島にIT会社が進出し、採用の募集をしている」と聞いた天辰さんは「憧れていた理想の生活ができる」と転職を決意。

その転職先がプログラミング言語「Ruby」を使い、アプリケーションの開発支援を行うRuby開発」。東京から地方、世界へとグローバルに展開し、2018年から「姫島ITアイランド構想」に賛同し、姫島村にサテライトオフィスを構えることとなりました。

 

姫島ITアイランドセンターの外観

天辰さんは2018年の「Ruby開発」立ち上げ時から姫島村へ移住し、姫島ITアイランドセンター長として5名の社員とともに勤務しています。

意外にも海が楽しめない・・・!

Ruby開発」サテライトオフィスのメイン業務は、東京の仕事。全国にある他の拠点も、すべて東京の仕事をリモートで請け負っているのだとか。

そのため村内にオフィスはあるものの、出勤は自由。社員の半分が村内の好きな場所で働いているそうです。

 

姫島ITアイランドセンターの仕事風景

海を眺めながらゆったり仕事をし、休日はダイビングや釣りで島暮らしを満喫…と思いきや、姫島村に移住して早々に発覚したのは、理想の島暮らしとは異なる現実だったと話します。

実録!これが島暮らしの現実

1.ダイビングできる環境がない

島があり、何本も海流がぶつかっているため、水の流れが速く危険! またスキンダイビングしてみてもあまり変化がないのだとか。

「何もないところに潜って、面白いものを見つけるのが好きというパイオニア的なプロの方にとっては面白いのかも」

 

趣味で楽しむ分には環境が悪いため、天辰さんも全く楽しめていないのだそう。

「釣りも楽しみたかったんですけど、場所取りも村の人との争奪戦になるので、島ならだれでも簡単に釣れる…ということはなかったですね」

2.職場から海が見えない

「こんなに近くにあるのに!」、「Ruby開発」のサテライトオフィスからは海が見えない…。「海を少しでも感じたい」と天辰さんが苦肉の策で考えたのは、まさかの、社内にあるモニターで海の動画を流すこと!「波の音を聴きながらリラックスして仕事をしています(笑)」

 

姫島ITアイランドセンターが流す海の写真

3.奥さんが来ない

コンビニもない、映画館もない、ショッピングモールもない。島で暮らすためには、今までと生き方を変えなければいけない。島に来れば近所づきあいも増え、婦人会などにも参加しなければならないなど制約も増える。都市部での暮らしとあまりにもかけ離れた生活が考えられなかった奥さんは、天辰さんと一緒に島で暮らすことは考えられなかったそう。

4.スローライフなんてない!

商工会青年部としてイベントがあるたびに駆り出されたり、マンパワーとしてさまざまな催しに引っ張り出されることも。もちろん、村のコミュニティに入る以上、参加することを前提としていますが、どうしても断らないといけないときには、NO! と言える強い気持ちも必要だとか。

 

天辰さんの写真

いくつもの現実に直面をしたと話す天辰さんですが、島にきたことで失ったものはひとつもないのだとか。そこで、島に来てよかった点も伺いました。

ここが良い!島暮らしのメリット

 1.新しいことを始めることができる時間が増えた

娯楽はない分、時間の余裕ができた。天辰さんは余った時間を使って、プログラミング言語の勉強をしたり、最近は高校数学を勉強し直したりしているそう。

2.手つかずの村だからこそ可能性がある

手つかずで何でもやりたい放題な雰囲気が島の魅力のひとつ。

「島で何かを始めてみたいという方にとっては、良い場所かもしれません。ちゃんとやりたいこと、やれることを整理していけば十分にチャレンジできる土壌はあると思います」

3.就職希望の方が増えた

島にオフィスがあるからこそ、応募が急増!2倍以上に増え、今はコロナ禍の影響もあってか1週間に3〜4人ほど応募があるのだそう。「会社としては新卒で面白いなと思う子からの応募が増えました。それは島で仕事をしているからこそ。他の会社に比べると有利な部分かもしれません」

天辰さんの仕事風景

 

天辰さんの「島で憧れの休暇を楽しむ」という点では、村は理想と異なる点があったかもしれませんが、働くという視点では良かったことも多かったと話してくれました。

移住とは、生き方を変えること。

 

天辰さんの写真

姫島村に暮らして3年目。「まだまだここからですね。村に来てみたらこれからの可能性はすごく感じたし、面白い。奥さんは連れて来れていないですけど、でもここがどうなって行くんだろうというのがすごく楽しみですね」と、これからも姫島村に暮らしながら、会社を引っ張って行きたいと話す天辰さん。

最後に島での暮らしの良きも悪きも体感した天辰さんに、移住を考えている人たちへアドバイスをいただきました。

「移住は引っ越しじゃないんですよね、生き方を変えないといけない。島に来て何をやりたいかという具体的なものが全くないと、島のマイナス部分がたくさん引っかかって来てダメになってしまうんです。会社の面接に来る子でも、『島で何をしたい?』という質問に答えられない人はお断りをしています。ビジョンをしっかりと持って、ここの世界に馴染むために生き方を変える強い気持ちがある人でないと、移住は難しいのかもしれません」

リモートワークで都市部の仕事を請け負いながら、島でゆっくり暮らす。そんな憧れを持つ人にこそ知って欲しい移住のリアル。

島での暮らしの厳しさや理想とのギャップを受け入れ、乗り越え、それでもここで生きていくには、自分の目標やビジョンをしっかりと持つことが必要になります。

まずはここで何をやり遂げたいのか、どんな暮らしをしたいのか、生き方を変える覚悟はあるのか、自分と向き合うことが移住の要と言えるかもしれません。

PHOTO

  • 憧れの暮らしとは違えども。「ここで何をやりたいか」を突き詰めて、離島で働き、生きていく。
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WRITER 記事を書いた人

fujiwara

大分県大分市出身。「見たがり」「聞きたがり」「知りたがり」の“たがり”精神で活動する、好奇心旺盛なライター。竹田市地域おこし協力隊として移住者支援、空き家バンクの管理・運営に携わった経験を持ち、自身も竹田市に小さな空き家を購入。大工さんと二人三脚でリノベーションを行い、現在は収益物件として賃貸中。大家さん業で一攫千金を夢みるも、うまくはいかない今日この頃。

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