大分移住手帖

暮らしていることを誇りに思える美しい大分県で、仕事と趣味を自分らしく味わいながら広げる“日田暮らし”。

Tomomi Imai

大学卒業後、日田観光協会からキャリアをスタートすることとなり、その後敏腕プロデューサーの元で修行を積んだ川嶋さんは、縁が繋がりディレクションや編集を学ぶ中で、写真や映像の仕事が増え日田で独立されました。現在28歳の彼は、日田をメインフィールドとして趣味に仕事に日本全国を駆け回っています。美しいこの大分・日田という場所に誇りを持って拠点として暮らしているのには、趣味と仕事という大きな2つの軸がありました。そんな彼にどんな経緯で独立に至り、今どんな仕事をしながらどんな暮らしをしているのか伺いました。

大学卒業と同時に敏腕プロデューサーの会社の門をたたいたところ、回り回って日田観光協会へ。キャリアスタートと同時に日田暮らしも始まる。

ブンボの感性研修で鍛えられる川嶋さん photo by 江副直樹

 

福岡で生まれ育った川嶋さんは、大学で地域創造を学び、その流れで地域と結ぶプロデューサーとして有名な江副さん(日田への移住者)の弟子になりたいと門を叩きました。とあるプロジェクトの面接を受けたものの不採用となり、代わりに紹介された日田市観光協会からそのキャリアをスタートさせました

川嶋:大学の専攻でもあった、地域とデザインに関わる分野で働きたいと思い、当時より憧れだったブンボ株式会社がプロデュースをする「ヒタモノツクリ」というプロジェクトが1年残っているということで門を叩いたんです。面接が終わって、ブンボ代表の江副さんから「数人面接したけど君が一番良かった」と言ってもらえたので期待していたんです。そしたら、後日そこから不採用通知が届いた上に観光協会を勧められてびっくり。慌てて観光協会へエントリーしました。

こうして、日田の右も左もわからないまま、観光協会でのキャリアをスタートすると同時に、福岡から日田へ移住することとなった川嶋さん。一番最短ルートで町に馴染め、日田市民と言えるくらい詳しくなれたといいます。

ブンボ株式会社
江副さんが経営するプロデュース会社。

 

プロデューサーのアシスタントとして誘われ、コンセプトワークやディレクション、編集の本質を学ぶ。

観光スポットも祭りも全く知らない中で観光協会に入って、観光パンフレット制作や営業回りの2年間は大変だったとのこと。どっぷり観光につかったものの、江副さんの事業プロデュースに憧れていた川嶋さんは、24歳の時に観光協会を辞めました。

地方創生プロジェクトや商品プロデュースと敏腕な彼のもとでやはり学びたいと思っていたところ、タイミング良く江副さんから「アシスタントで入らないか」と誘ってもらえたそうです。そこで学んでいる間にも、前々からカメラをやっていたために別軸で徐々に仕事が来るようになったそうです。

 

クライアントに寄り添って逐一良く確認しながら一緒に作り上げる仕事スタイルが川嶋流。

フリーとして一番最初にもらったお仕事は、日田青年会議所からのパンフレット制作だったとのこと。

川嶋:パンフレットってありきたりなのばかりなので、全部写真にするという企画でした。テキストが一切ないパンフレットです。これが結構喜ばれたのもあって、大きな原動力になりました。

写真を通しての表現は知れば知るほど興味が出てきて、レンズやカメラなど何を使うかの苦悩が長かったですね。徐々に仕事はもらえていて、日田だけでなく、東京や福岡、山口などへ行くことも。今ではカメラだけで生活できるほどになりました。企画やコンセプトって全ての制作物に通じますよね。それがないと中身のないモノが出来上がってしまいます。どんな仕事でもその中でどこかに“愛”を見つけられれば入り込めますね。何かキーワードを見つけることを大事にしています。

 

先日撮影した日田の福祉関連会社の動画制作では、ここへ通所したり最後までここに住み続ける利用者さんのことをスタッフさんたちが“第二の家族”と言っているのが印象的で、すごく大事なキャッチだと思って、この一言を伝えるために動画が構成されるように作ったそう。こういう動画をきっかけに少しずつ仕事が回る良い循環が少しでも起こるとそれが大きくなっていくのが今の仕事の醍醐味で、そんな仕事の仕方は田舎臭いのかもしれないけど、顔を突き合わせて共に作り上げていけるので、それぞれの仕事に愛を持って接することができています。

特別養護老人ホーム喜楽苑_ConceptMovie「もうひとつの家族」 from Katsumi Kawashima on Vimeo.

 

町にはいろんな役割があって、自分もその1人になりたいなと思った。

大学時代や観光業界で頑張っていた中で、いつも隣り合わせにあった「まちづくり」という言葉。いろんな経験を通してある時期からこのキーワードは、個人として付き合うには違うかなと思うようになったそう。

川嶋:町の中にはいろんな役割がありますよね。町を回す役割の人、縁の下の力持ちの人など、いろんな役割の方があって町ができていく中で、自分も「まちづくり」するぞ!と無理に役割を担おうとしなくても、自分がやったことが後々地域の発展につながればいいかなと思うようになりました。

 

仕事を通して自然や町に触れる中で、“大分”という美しいところに移住したなとじわじわ実感する日々。

大分に移住したということを後からじわじわ感じているという川嶋さん。撮影や日々の暮らしの中で、日田に限らず大分のいろんな場所を訪れる中で、森林や高原、渓谷などここは美しいところが多いなと感じるそうです。その実感自体が、大分県民というアイデンティティとなってきていることだなと感じるそう。大分の美しさには毎回驚かされている日々なのだそうです。

川嶋:僕は後輩気質で、いろんな先輩によくお世話になっているから今があります。魅力的な先輩に会えたのが大きいし、大分のコミュニティが狭いのが逆によかったなと。先輩同士の横のつながりには助けられています。写真に限らず音楽やカルチャーの面でも先輩が先輩を作るような土壌もあるなと感じます。

日田はどこへもアクセスしやすいがために、片足は大分、片足は福岡ということができる良いフィールド。

福岡やいろんなところへ行きやすいという恩恵は受けていて、フットワークの軽さが大事な仕事にとっては日田は良いフィールドだと語る川嶋さん。大分市や別府はクリエイター同士の繋がりはよくありますが、日田は日田で完結することが多いとのこと。大分というアイデンティティを持ちつつ、福岡にも向いているのが心地よいそうです。独特のフットワークの軽さ、土着的でありながらあくまで方々に開いている土地柄が日田の良さだと語っていました。

川嶋:県境は歴史の中で誰かが設定したことだけど、暮らしている中ではその“境界”を良い意味で感じないんです。日田はいろんな人の通り道。熊本も近所だし、外が近いですね。移住者という立場の中で、日田人の土着なところも感じつつ、いろんな境が気にならないので移住したてでも暮らしやすいですよね。日田に暮らしていることを誇りに思っていますね。

 

音楽とファッション。趣味でつながる自分らしい友人の輪。

現在事務所としているhazebo coffee 2Fのシェアオフィス

 

趣味が豊富な川嶋さん。今特にハマっているのはDJとファッション。音楽を聞くのはもちろんですが、DJの技術に魅了されていたところ、なんと日田にはDJバトルの元九州チャンピオンがいるそう。その方は普段は和菓子屋を生業にしながら日田で暮らしているそうです。他にもレコードのコレクターや音響機器マニアがいたりと、日田には隠れレコード・DJ好きがいるのも、暮らしを楽しめている理由の一つだそうです。日田唯一のハコはCMVCで音がとても良いそう。「るぶらん」という音楽喫茶の隣の倉庫で夜な夜なセッションイベントもやっているそう。この趣味のおかげで、移住者というようなくくりだけでなく、川嶋さんらしいオリジナルの友達の輪ができ、より居心地がよくなっているそうです。

もう一方でハマっているのは、自分らしいファッション作り。以前は「前掛け」を必ずすることで、自分のファッションアイコンにならないかと実験していたそう。現在は手拭いやウェストポーチで実験しているそうです。実際にお会いした際も、古着を生かしたとてもお洒落な方というのが印象的でした。どこで服を買っているのかと聞いたところ、福岡市方面の古着屋がメインとのこと。大分県民ながら福岡のセレクトを取り入れられるのも、日田の地の利なのだそう。

こうやって自分らしいスタイルを保ちながら、自分が心地よく生きられる部分を町に見出せるとより移住生活も楽しさが増しますよね。日田にきてから自分らしい生活を積み上げていると語っていた川嶋さん。趣味のお話をされている時の川嶋さんは、とにかく楽しそうで、日田暮らしがますます魅力的に感じられました。

 

今後はビジネスパートナーを作って仕掛けていく仕事がしたい。

来年の目標はビジネスパートナーを作ることだと語る川嶋さん。「川嶋克編集室」という屋号を掲げて活動していて、仕事も増えてきつつある中で、同じ感性で映像や写真をいろんな仕掛けとしてやっていける人を求めているそうです。受けるだけではなく仕掛けていきたいと語ってくれました。

 

最後に

趣味を楽しみながら、仕事も楽しむことで、どんどん日田暮らしが楽しくなっている。その印象をとても強く感じられた川嶋さん。いろんな文化の中継地点である日田だからこそ、いろんな領域に渡って関われる暮らしがしやすいのかもしれませんね。日田杉や豆田町で有名な日田ですが、川嶋さんのようにここに来てから自分らしさと町の良さを発見し、少しずつお互いを紡ぎあいながら暮らしやすいスタイルを作っていける移住暮らしも楽しいそうだなと感じました。最近ではとにかく引っ張りだこなようで、取材時も周りの方が川嶋さんの良さを語ってくれて盛り上がったくらいでした。川嶋さんの日田での仕事の制作物を拝見しても、その信頼度が伺えます。是非気になった方は川嶋編集室webサイトもご覧ください。

 

■日田でのお仕事を少しご紹介

【清掃車の写真】

Client_新栄清掃有限会社

Photo_川嶋克

新しい清掃車の納車(2台)に際し、地元日田の魅力を伝える写真を撮影。

【HITA PRIDE PROJECT_冊子撮影】

Design_西広

Photo_川嶋克

Text_西日本新聞/川嶋克(一部記事)

西日本新聞社の依頼から、日田で輝く100名の仕事人を撮影/取材。内30名を担当。

【たびするシューレ 全記録】

Project_旅するシューレ

Design_矢野哲義(ヤノテツデザイン)

Photo_川嶋克

大分、別府、由布、佐伯、臼杵、国東、日田、竹田…

大分県立美術館(OPAM)前館長、新見隆氏とめぐる移動学校《たびするシューレ》。その報告書籍となる【全記録】。大分県下各地を訪ね、その町の案内人とともに地域文化の知性と本質に迫った全11回、内9回を担当。

【男の詩(創刊号)】

Text 川嶋克

Design 後藤大樹(後藤大樹デザイン事務所)

Photo ヤマモトハンナ

日田でスナックのある風景にフォーカスし《社交文化》について一考する39Pの青い記録「男の詩(うた)創刊号」。大分合同新聞/大分朝日放送/シティ情報おおいたetc.アンダーグラウンドに話題をさらい、不思議な広がりを生んだ迷作。(笑)

【WATER】

Client 日田市役所

Photo 川嶋克

Design 穴井優(anaikim)

「自分らしく生きるため」日田で“しなやかに”暮らす女性に注目し、制作した冊子。

【マルサク佐藤製材株式会社HP_撮影】

Client_マルサク佐藤製材株式会社

Photo&Direction_川嶋克

日田市にある製材所「マルサク佐藤製材」Webページ制作において、全体的なディレクションと撮影を担当。

取材者情報

お名前
川嶋克(かわしまかつみ)
出身地・前住所
出身地:福岡県飯塚市(生まれだけ長崎県佐世保市)
前住所:福岡県飯塚市
現住所
日田市大字高瀬銭渕町
年齢
28歳
家族構成
単身
職業
川嶋克編集室
ディレクター・カメラ係
Webサイト
https://katsumikawashima.com
WRITER 記事を書いた人

Tomomi Imai

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snufkiins LLC. 代表社員
離島移住計画 代表
Re-harmo PJ オーナー
25歳でフリーランスとして独立し、多様な分野にてプロデュースやディレクター業を経験。モノコトヒトをつなぐひと。多様な伴走を得意とする。国内外問わず事務局代行・企画編集など多様な業界を経て2018年に法人化。長崎県上五島にてキャンプ場兼カフェ「Re-harmo PJ」を展開し、島に仕事や場を作ったり。絶賛子育て中。ヨガ・サーフィン・音楽・映画・コーヒー・日曜大工が趣味。

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