大分移住手帖

民泊で体験した幸せを実感する暮らし方を求めて、自然豊かな杵築で始めた新たな暮らし。

青木 奈々絵

自然豊かな土地で幸せに暮らす姿に惹かれ、地域おこし協力隊として杵築にやってきた木村さん。神様がいるような気がする、そんな国東半島で出会ったのは、かけがえのない居場所と自分らしい新しい生き方でした。安定した都会での生活から縁もゆかりもない杵築に飛び込んだ、木村さんの移住ストーリーとこれからの暮らしについてお伺いしました。

民泊での体験がきっかけ。自然豊かな場所で幸せを実感しながら過ごせることが羨ましかった。

「生まれも育ちも大阪で、ずっと実家に暮らしていました。旅行や移動することが好きだったこともあって、興味があるイベントには全国どこでも足を運んで参加していました。大分に来たのは、由布市で開催されたワークショップに参加するため。友人の勧めで別府の民泊に泊まることにしたんですが、そこでの滞在が自分にとってはすごく衝撃的でした。民泊を営むオーナーの方と湧き水を一緒に汲みに行ったり、温泉に連れて行ってもらったり、食べ物もとっても美味しくて。なんて言うか、落ち込むくらいカルチャーショックを受けたんです。今まで自分は大阪での暮らししか知らなかったけど、こういう自然豊かな場所で幸せを実感しながら過ごす女性を目の前にして、羨ましいな、と思ったんです。」

大分を訪れる前に10年近く勤めた仕事を退職していた木村さん。これからの生き方を見つめ直すタイミングだったのだとか。

「仕事も生活も何の不満もなく、安定した日々を送っていたんですが、いつもどこかで『わたしの人生、このままでいいのかな』と思いながら過ごしていました。大分に来る前は医療事務として眼科クリニックに勤めていたんですが、別にやりたい仕事ではなくて、でも辞める理由もなく続けていて。このまま死んだら絶対後悔するなと思って、思い切って仕事を辞めました。次のことは何も決まってなかったし、親にもとても反対されたけど、とにかくこの日常から抜け出そう、と思ったんです。人生最大の勇気を振り絞った瞬間でしたね。」

人生を見つめ直した結果、縁もゆかりもない大分への移住を決意

大分での滞在から半年後のある時、ふと「実家を出よう!」と思いついたと同時に「好きな場所に住もう」と思ったという木村さん。そのとき思い浮かんだのが、豊かな時間を過ごした大分だったそうです。

「大分に行こうと思ったとき、ばちっときたんですよね。これだ!って。そう決めた時の自分はすごくわくわくしていたけど、よくよく考えたら縁もゆかりもない場所だし、仕事とか家はどうしようと思ったらすごく不安にはなりましたね。大分に住む友人に相談したら、大阪で開催されている『おおいた暮らし塾』という移住フェアがあることを教えてくれて、足を運びました。そこで地域おこし協力隊の存在を知って、『移住するには最高だ!』と思ったんです。そこで、当時募集があった杵築市に応募しました。大分に行きたいと決めてから実際に住むまでの半年間は、なんだか運ばれるような体験。今思い返してもすごく不思議だけど、そのときの感覚を大切にしてよかったと思います。」

協力隊の仲間に助けられながらの大分生活。

地域おこし協力隊赴任後は、移住定住担当として空き家バンクの運営や、他自治体と合同で移住体験プログラムを実施していたという木村さん。着任した2016年ごろは、まだ「地域おこし協力隊」が今ほど知られていなかったそうです。

「大阪時代から比べると市役所という空間での勤務は慣れないことも多くて、それまでの環境との違いに戸惑うことも多かったです。そんな中、協力隊同士のつながりにはすごく助けられました。当時は杵築市の協力隊の人数も多かったし、国東半島の4市町での交流も頻繁にあって、日頃の悩みなど何でも相談できる仲間がいました。都会からきた同じような境遇の人たちの存在はすごく大きくて、当時の仲間とは今でも繋がっています。」

移住フェアで杵築市のPRも行っていたことで、そのときの活動を評価してもらい、協力隊卒業と同時に「杵築市移住定住アンバサダー」に任命された木村さん。活動内容は主に、首都圏で開催される移住フェアに参加して杵築の魅力を伝え、現在も移住を検討する方々の移住相談に応じているそうです。

卒業後はセールスコピーライターとして新たなキャリアをスタート。

今はセールスコピーライターという仕事をされている木村さん。主に首都圏のクライアントの方から依頼された、商品やサービスを宣伝するためのランディングページを作成しているそうです。すべてオンラインで仕事ができているので、家に居ながら仕事をされているのだとか。

協力隊を辞めたあと、時間や場所を選ばず自由に働ける仕事がしたいと思っていました。それでSNSで友人がシェアしていたセールスコピーライティングを学べる講座に、月に1回、半年間東京に行って講座に通いながら勉強しました。始めたのはいいものの、講座の内容がすごく難しくて、その時の自分には何から手をつけてよいかわからないくらい難しくて正直『もう無理!』と何度も思いましたね。奮闘を重ねた結果、今ではセールスコピーライティング普及協会の『認定ライター』として案件をいただいています。やっとこの世界のおもしろさが分かってきて、今も日々勉強中です。

国東半島や杵築は観光化されすぎてないところが好き。

国東半島や杵築の魅力について、「一番は自然。海もあって山もあって、観光地化されすぎていないところが好き。」と語ってくれた木村さん。

湧き水も豊富で、泉質がよい温泉が身近。思いついたときにふらっと温泉に行けるのも魅力だそう。

「国東半島って、なんだか神様がいるような気がするんですよね。だから自然と惹かれてしまうのかもしれません。」

ご縁を大切にしながら、人が集まれるような家で穏やかに暮らしていきたい。

今は海の見えるアパートに住んでいる木村さん。パートナーが音楽をしていることもあり、気兼ねなく音が出せたり、人が集まれるような一軒家に暮らしたいなと思っているそうです。いずれは自分たちで暮らしやすく家に手を加えたり、家庭菜園などもしていきたいとのこと。

「杵築に移住して、今では自分にとってかけがえのない居場所に出会うことができました。そこには自分にとって大事なコミュニティがあって、今まで自分が知り合ってこなかったような人たちと縁があって。大分暮らし5年目にして人生のパートナーと出会った今、ここからまた新しい暮らしが始まることを楽しみにしています。」

最後に

ふとしたきっかけから、新たなストーリーが始まる。行く先々でたくさんのきっかけに出会い、掴んだチャンスを自分のものにしてきた木村さん。あるときは自分の直感に素直に、時には人に頼ることも忘れず。国東半島に秘める不思議なパワーのもと、新しい物語がこれからも繰り広げられていくことでしょう。

取材者情報

お名前
木村 七恵(きむら ななえ)
出身地・前住所
大阪府
現住所
大分県杵築市
家族構成
独身
職業
セールスコピーライター
WRITER 記事を書いた人

青木 奈々絵

大分県杵築市へ移住。地域おこし協力隊として移住支援活動を行う。国東半島に伝わる七島藺(しちとうい)に惹かれ、工芸の技術を習得し、杵築七島藺マイスターとしても活動している。農家民泊の開業を目指して、築150年の古民家をセルフリノベーションに奮闘中。

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