大分移住手帖

想いを言葉にすれば、助けてくれる杵築の人々に支えられ、自らの手で0から作る杵築暮らし。

熊代 はるか

取材者情報

お名前
青木奈々絵
出身地・前住所
出身地:栃木県
前住所:東京都
現住所
大分県杵築市
年齢
33歳
家族構成
独身
職業
杵築市地域おこし協力隊
七島藺工芸製作
Facebook
https://www.instagram.com/yama.kaoru/
Instagram
https://www.instagram.com/nanae_nana/

栃木県出身の青木さんは、大学卒業後、旅行関係の会社に就職し、その後東京の国際協力団体に所属。大分に来るまではずっと関東圏で暮らしてきました。バイクで日本を周る旅に出たパートナーとともに出会った大分でこの地への移住を決めた経緯をお伺いしました。

パートナーに連れられて来た初めての大分。

東京での会社員としての日々。栃木県ののどかな地域で生まれ育った青木さんは、東京での刺激に溢れた生活の中で、もっと自然に近い場所で、暮らしを楽しむような生活をしたいと思い描いていたそう。当時は移住を意識していたわけではなかったそうですが、どこか別の場所で暮らしたいと考えるようになったんだとか。

そんな頃、東京で出会ったパートナーの野口さんが、30歳を前にバイクで日本を周る旅に出ました。野口さんの約10ヶ月間の旅の中で、青木さんも興味があるところには現地で合流し、一緒に旅することもあったそう。そんな中出会ったのが、大分県杵築市山香町でした。

「心のどこかで新しい土地へ飛び込みたいと思っていた時期でした。決して東京での生活に不満があったわけではないのですが、海外での暮らしがふと頭によぎったり、何か新しいことを探しているような心情にありました。仕事柄、働き方にも融通がきいたこともあり、パートナーの旅にあわせて色々な場所へ足を運びました。その中で訪れた場所の一つに大分があり、今後の人生を大きく変えることになりました。まさかここまで大きく変わるとは思わなかったです(笑)」

建具好きな青木さん。

衝撃を受けた山香町での暮らし。

大分に訪れた青木さんが訪問されたのが、杵築市山香町にある「カテリーナ古楽器研究所でした。カテリーナ古楽器研究所では中世・ルネサンス期の古楽器を復元・製作しており、二代目を務める松本未來さんの自宅では「農家民泊糧の家」として、築90年の古民家で農家民泊を行っています。初めてこの地を訪れた野口さんはここでの出会いに衝撃を受け、4ヶ月後、青木さんとともに再度この地を訪れることになります。

東京での暮らしは、必要なものは買うことが当たり前でした。しかし、山香町で出会った暮らしは野菜やお米、衣服や身の周りのものまで、自分たちでできることは自分でまかなっていました。暮らしの多くを自給自足で送る暮らしを目の当たりにし、今までの暮らしとのギャップに実感が湧くまで時間がかかったといいます。山香町での滞在は「こういう世界もあるんだ」と衝撃的で刺激的な時間だったそうです。

ここで出会った人たちは美しくてたくましく、どんどん引き込まれている自分がいたことに気づいたのだといいます。

改めて訪れて確認した、杵築で暮らす自分の姿。

自家製カボスを収穫。

この感覚が忘れられなかった青木さんは、再び季節を変えて杵築市へ戻りました。改めて杵築市を訪れるとなんだか懐かしく、しっくりくる感覚があったといいます。

「『自分が感じた感覚に間違いはなかった』と、改めて杵築市に来て確信した気がしました。」

二度目の滞在ではさらに多くの人と触れ合い、いつの間にか住まい探すようになったと言う青木さん。「空き家バンクでの家探しは日課のようだった」と話す彼女ですが、心のどこかで懐かしく感じる部分やしっくりきた感覚から、この土地で暮らす姿を想像したそう。そんな気持ちにさせてくれたのは、杵築で暮らす人々のおかげだと語る青木さん。外から来た人も温かく迎えてくれる地域性に惹かれたと言います。

ゆかりのない土地へ思い切って協力隊として移住。

自分の感覚を信じて杵築市へ移り住むことを決め、地域おこし協力隊へ応募した青木さん。縁もゆかりもなかったこの地での暮らしが始まりました。文化の違いや見様見真似で始めた畑仕事など、戸惑うこともあったものの、杵築の方々は「こんなことがしたい」と正直に話すと、優しく力を貸してくれる方々ばかりで、移住後に苦労はそこまでなかったそうです。

現在、地域おこし協力隊として3年目を迎えた青木さんは、協力隊の活動と並行して2つの活動を行っています。

七島藺(しちとうい)マイスターとしての活動

青木さん自身で作成した七島藺のコースターや鍋敷き

大分県の国東半島のみで栽培されている七島藺(しちとうい)という植物を使って、工芸品を制作している青木さん。本来は畳表の原材料である七島藺(しちとうい)ですが、畳とは別の手法で地域の魅力の一つになるよう、鍋敷きや座布団のような工芸品が作られています。杵築市では公共教室として七島藺工芸教室が実施されていますが、青木さん自身も1年間教室へ通い、「杵築七島藺工芸マイスター」の資格を取得。、「伝統工芸として暮らしの一部に溶け込んで欲しい」という願いを込めて、出店やワークショップなどを行っています。

古民家を改修し、移住体験施設へ

山香町に築150年を超える古民家を借りたお二人。広大な畑に納屋、さらには蔵や牛舎まで、驚くほど広い空き家を現在改修中。自宅を兼ねて、ゆくゆくはグリーンツーリズム の受け入れや移住を考えるひとにとっての拠点となる場所になるよう、内装業を手がける野口さんとリノベーションの真っ最中。田舎暮らしに触れてもらう場所にしていきたいそうです。

改修している古民家の外観の様子

古民家を絶賛リノベ中!

改修された古民家はとても広く、たくさんのモノや材料に溢れている

ここでの暮らしを伝える場所を作りたい

こんな窯も。

自分たちが山香町で感じた力強い暮らしを、この場所で伝えていきたいと語る青木さん。実際に古い家での生活を体感してもらったり、移住した自分たちだからこそ伝えられることをここで発信していけたらと考えているそう。ゆくゆくは納屋や蔵を利用して、工房やギャラリーとして七島藺の作品や古道具などを見てもらえるような場所をつくたいと考えているんだとか。、

「今はまだ住まいの改装に頭がいっぱいなので、一歩ずつ夢に向かって進んでいけたらと思います。」

杵築市に移住を考えている方々に向けて

「人によって移住への気持ちは様々だと思います。どんな理由でも、やりたいことや意思をきちんと持って来ることで、きっと素敵な暮らしが待っているはず。恐れず言葉にすれば、周りには力になってくれる人がたくさんいます。」

最後に

昔は口下手だったと話す青木さんですが、杵築市に来て自分の意思をアウトプットできるようになったのだとか。空き家探しに苦労した青木さんが、今の古民家に住むことができたのも最後は周りの力あってのことだったそうです。困っている時に背中を押してくれる杵築市の人々は、自分の思いをしっかり伝えることで、みんなで支え合っている地域なんだと感じました。様々な苦労を経て青木さん自身も少しづつ理想の自分に近づいてきていると語ってくれました。そんな青木さんだからこそできる彼ららしい杵築暮らしが体験できる場所。改修中でも快く迎えてくれるお二人の様子から、きっといろんな方々がお二人のようにここを通して大分や杵築を体験していくのだなと思うと、ワクワクします。

*写真:tomomi imai

PHOTO

  • 想いを言葉にすれば、助けてくれる杵築の人々に支えられ、自らの手で0から作る杵築暮らし。
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WRITER 記事を書いた人

熊代 はるか

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