大分移住手帖

おおいた暮らし体験オンラインツアーレポート〜大分市・仕事編〜

青木 奈々絵

ホームページやパンフレットだけでは伝えきれない、大分の魅力や実情を発信するため、移住を検討する方に「おおいた暮らし」をイメージしてもらうオンラインツアーが開催されました。「大分市・仕事編」「別府市・コミュニティー編」「豊後高田市・生活編」と全3回のうち、今回124日(日)に行われた「大分市・仕事編」の様子をレポートしていきます。

*まち歩きツアーはyoutubeにてご覧いただけます。

サポート盛りだくさん!大分県の移住支援施策

県の移住担当者が、大分県の気候や温泉などの基本情報をはじめ、移住にまつわる最新情報について説明するとこからスタートしました。大分県への移住者は近年増加傾向にあり、宝島社より発刊される情報誌『田舎暮らしの本』では「移住したい都道府県ランキング」で8位に位置するなど、徐々に人気になっているそうです。また、国の統計から見る大分県は「生活事情」にまつわるランキングでも全国上位。通勤時間や仕事後の活動時間を過ごしやすい自治体であることがわかります。

生活事情においてもランキングで上位となっている

大分の魅力を詰め込んだ大分市のまち歩き

まち歩きのガイドを務めるのは、アクセサリーショップ「Mallieyan(マリーヤン)」を経営する木本涼介さん、プロスポーツDJMcMAX(マックス)さん、フードディレクター・歴史料理研究家の木村真琴さん。自身もUターン、Iターン移住者である3人が、大分市各地の人や場所を巡り、大分市の魅力を伝えます。

大分市の3つのエリアごとに、それぞれのまちを紹介していきます。まず最初に訪れたのは、大分駅から徒歩5分の「大分市府内五番街商店街」。この商店街に事務所を構え、

「なんでも揃うハイブリッド商店街」と木村さんが紹介を進めます。

例えば、府内町にある「大分銀行赤レンガ館」。東京駅なども手掛けた辰野金吾氏による設計で、国の登録有形文化財にも指定されています。ここでは、大分市の地域商社「Oita Made株式会社」がセレクトしたこだわりの大分県産品を販売するショップや、コーヒー専門店のカフェなどが併設されています。

国の登録有形文化財にも指定されている大分銀行赤レンガ館

自然に溢れた大分の魅力を語るOita Made株式会社の三代さん

Oita Made株式会社に勤める三代(みしろ)さんは、大分県にある素晴らしいものをより多くの人に知ってもらいたい、どんどん発掘して大分の魅力的な人・もの・ことを伝えて行きたいそうです。

三代:大分市はいろんな魅力がコンパクトに集まっている地域。車を少し走らせれば釣りが楽しめたり新鮮なお魚がたくさんあるし、大分市は自転車を巡るのも最高です。海も山も川もあって、自然がすごく身近にある暮らしですよ。

続いて登場した「ジェラテリアふくろう」の代表を務める古山(こやま)さんは、障がいを持っている方たちの働く場を作るための取り組みをしていて、自身も神奈川県からの移住者。そんな古山さんからはこんなメッセージがありました。

古山:自分が移住するときは情報が手に入りにくかったけど、今はインターネットでいろんな情報が手に入ります。SNSなどでも人と繋がりやすい環境だと思うので、まずはメッセージを送ってみるなど、一歩踏み出す勇気をもってほしいです。

自身も神奈川県からUターンした古山さん

大分の二度泣き

自身もUターン移住をしたMcMAXさんは、「大分の二度泣き」という言葉があることを話してくれました。

McMAX大分のプロサッカーチーム・大分トリニータの選手の中にも、大分に移籍となると最初は田舎で何もないというネガティブなイメージで悲しんで泣き、次に大分を離れるときがくると『大分を離れたくない』と二度目に涙を流す人がいるそう。それくらい、大分は一度住むと素晴らしい土地だと感じるんだと思います。

「まずは一歩踏み込んで」チャレンジしやすい大分市

アクセサリーショップ「Mallieyan」を経営する木本さん

Uターンしてパートナーとともに起業した高橋さん

次に訪れたのは、大分市の海側のエリアである西大分。今回のツアーガイドを務める木本さんのアクセサリーショップ「Mallieyan」や、Uターン移住してパートナーとともに美容室と雑貨屋さんを開業した「コンビニエントストア」を営む高橋さんが、大分市で起業することについて話を聞かせてくれました。

高橋:大分市はもともと人の繋がりがあったこともあり、周りの人がすごく助けてくれました。大分市に全くベースがない人に対しても、とても優しく、人情味あふれる地域だと思うので、あたらしいことをしやすい環境だと思います。まずは一歩踏み出す勇気を持ってほしい。

ツアーガイドが語る「移住したきっかけ」

まち歩きの後は、ツアーガイドを務めたMcMAXさんと木村さんのトークセッション。自身の移住エピソードを語ってくれました。

McMAXさんはもともと営業職のサラリーマンで、全国各地に転勤していました。母親を亡くしたことをきっかけに、一人で住む父親のいる大分市にUターンすることになったのだそうです。せっかく戻ってくるならサラリーマンとしてではなく、何か新しいことにチャレンジしたいと考えていたちょうどその時期が、サッカーワールドカップの開催とも重なったことで、スポーツに関わる仕事がしたいと思っていたんだとか。そこでまずは名刺を作り、いろんなところでMCとして挑戦していったそうです。

McMAX:自分自身も大分の人の優しさにすごく助けられたので、大分に移住を考えている人にも何か力になりたいです。スポーツに限らず、テレビやラジオなどの分野には自分も力になれることがあると思うので、自分のやりたいこと興味があることがあればぜひアピールしていってほしいです。

自身の経験を語る木村さん

千葉県出身の木村さんは、ご主人が大分出身だったため、結婚を機に移住することになったそうです。最初は大分県はおろか、九州のこともあまり知らなかったという木村さん。以前は生魚が食べられなかったのが、大分に来てから新鮮なお魚の美味しさに感動したそう。実際に大分市に住んでみて、自分の中で食に対する価値観が変わるくらい大分県の食文化に感動したんだとか。そこから食に興味を持つようになり、仕事をしながら食の勉強をして、フードディレクター*として事業を立ち上げるまでになったそうです。

オンラインツアーの進行を務める宮井さん

仕事&生活事情

お二人のお話や、まち歩きツアーを通して、「大分市は起業など新しいことにチャレンジしやすい地域」ということがわかりましたが、就職についてはどうでしょうか?

McMAX:職業安定所の募集をみてみると、大分市にも仕事はたくさんあります。その中で自分がやりたい仕事を見つける情熱が必要だと思います。募集や情報誌だけでなく、人繋がりで見つけられる仕事もたくさんあると思うので、自分ができることや得意なことをSNSなどでどんどん発信してみることで得られるものもあるのではないでしょうか。

木村:私自身も一度は大分で就職をしたので、探してみると事務仕事や工場勤務、農業関係の仕事がたくさんあることに驚きました。商店街などでも人手が足りない飲食店やお店もたくさんあるので、需要はあると思います。そういうお店こそ、人伝えにスタッフを募集していたりするので、まずが人と繋がったり、近くにそういう人がいなければ自治体など行政を通じて繋げてもらってもいいと思いますよ。

また、木村さんはまだ運転免許を持っていません。「田舎は車がないと生活できない」というイメージですが、10年以上大分市で仕事をしながら生活していますが、各地の主要な場所にはJRやバスなど公共交通機関がつながっているし、特に大分市は道が平たんなので自転車移動なども可能なので、特に支障はないそうです。

木村:大分市は自然も豊かだけど、きちんとした都市機能も備わっています。雑誌やテレビだけではわからないことも多いと思うので、まずは現地に足を運んでほしいです。

素朴な疑問に答える相談会

最後は視聴者参加型の相談会。

大分市出身、京都府在住の参加者からは、「Uターンを検討していて、大分市でヨガを教えたりできないかと考えているのですが、大分市に貸しスタジオはありますか?」との質問が。

木村:西大分のかんたんエリアには、イベントスタジオや音楽スタジオなどがあります。女性も活躍されているエリアで、かんたん港園では朝からヨガをされている方もいるので、需要があるかもしれません。五番街商店街でもヨガスタジオをしている方もいるので、ヨガスタジオなど始めるにはしやすい環境ではないかと思います。

大分市出身、東京都在住の参加者からは、母親が一人で大分県に住んでいるので、Uターンしようか迷っているとの相談。また、「子どもが『田舎に行きたい』と言っていて、牛や鶏を飼いたいと話しているのですが、それが実現する地域はありますか?」との質問も。

木村:大分県内には農場がたくさんあるので、お子さんが触れ合える機会も多いと思います。

大分への移住を検討されている方、参考になりましたでしょうか?大分市の各地では、移住を機に起業したり、新たな暮らしや働き方を見出している方も多くおられます。今回の動画をみてもっと詳しく聞いてみたいという方は、ぜひ自治体や先輩移住者にコンタクトをとってみてくださいね!きっとあたたかく大分への移住をサポートしてくれますよ。ぜひ一度、大分市を訪れてその魅力に触れてみてください。

*フードディレクターとは、レシピ開発やパッケージデザインを通して食品メーカーや飲食店に対してコンサルティングを行ったり、飲食店プロデュースや料理教室の運営、食に関するイベントの企画・開催を行う職種。

WRITER 記事を書いた人

青木 奈々絵

大分県杵築市へ移住。地域おこし協力隊として移住支援活動を行う。国東半島に伝わる七島藺(しちとうい)に惹かれ、工芸の技術を習得し、杵築七島藺マイスターとしても活動している。農家民泊の開業を目指して、築150年の古民家をセルフリノベーションに奮闘中。

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