取材者情報
大分県臼杵市で地域おこしに取り組んでいる中野さん。主に「黒島」の活性化のために、学生とPR動画を作成するなど自主的に力を入れています。今は独立され移住サポートに力を入れている中野さんにお話を伺いました。
飛行機と関わる仕事をしていた
小さい頃から飛行機が好きだった中野さん。将来は飛行機に関わる仕事がしたいとの思いもあり、航空機部品を取り扱う仕事や貿易の仕事などをされていました。そんな中、貿易の勉強をしていくうちに自分でもできるのではないかと思い独立。その後、アジア系の雑貨を輸入したりネット販売したりと自身で事業をおこなっていました。
同窓会がきっかけでUターン
東京で貿易の仕事をしていた中野さん。同窓会をきっかけに久しぶりに臼杵市に帰ると、人が少なくなり、空き家や空き地が増え環境がガラリと変わっていたことに唖然とし、このままではいけないと思ったのだそうです。そこで、それまでやっていた仕事を辞め、Uターンすることを決めました。
地域おこしを目的として帰ってきたものの、当時55歳。地域おこし協力隊に応募するもなかなかご縁がなく、苦労したそうです。そんな中、諦めず地域おこし協力隊のように地域に関わる仕事がないかと探し、見つけたのが観光協会の事務でした。
そこでは事務作業とはいえ、「たくさんの学びがあった」と中野さんは語っていました。
グリーンツーリズムで農泊・観光について学ぶ
観光協会を退職し、主に関わっていたのが「農村民泊」。農村民泊とは、農家さんの家に泊まりそこで農家ならではの料理を一緒に作ったり、収穫などの農業体験するとこができるグリーンツーリズムの仕事です。その土地や農家さんの個性により、体験内容や暮らしの雰囲気が違います。その違いを楽しめるのも魅力の一つです。臼杵市ではこの取り組みに力を入れていて、海外からの団体ツアーや小学生の農業体験プログラムにも組み込まれています。普段、土に触れることがない方が農業体験などを通して、自然と一緒に暮らす営みに感動して帰られる方も多いそうです。また、臼杵市は城下町・臼杵石仏などの歴史のある町でもあります。観光協会では、土地の歴史の魅力作りや新たな産業作りに関わったそうです。現在では当時の経験を生かし、独立されています。
移住の窓口として。
独立後、臼杵市の穴場スポットを紹介する「うすき観光ナビ」を立ち上げた中野さん。
城下町にオフィスを構え、シェアハウスの紹介も並行しながら、移住の窓口業務を担っています。臼杵市では、移住者向けのコンテンツとしての1つとして「お試し移住」の活動に力を入れています。「お試し移住」では、一軒家を一週間から一か月程度、借りる事ができ、実際に生活する事ができます。中野さんは、お試し移住をしている期間に、その人に合った暮らしを提案することがあるそうです。また、シェアオフィスを仕事場とし、近くのゲストハウスに宿泊をするような、テレワーカーに向けた新しいプランも企画したりもしているそうです。
黒島の魅力を伝えたい!
皆さんは、「黒島」と言う場所をご存知でしょうか?黒島は、イギリス人航海士であるウィリアム・アダムス(日本名:三浦按針[みうらあんじん])が乗ったオランダの船「リーフデ号」が漂着した所とされています。また、黒島の海は透き通るほどの美しさが圧巻です。
しかし、今では管理する人が少なく、あまり注目されていません。そこで、中野さんは黒島を再び人が集まるような場所にしたいとのことで、2018年に黒島でのイベントを始めたそうです。
学生とのコラボ企画で、オリジナルのpvを作ったのだとか。気になる方はぜひチェックしてみてください。
移住の先輩からアドバイス!
初めての土地に住むことに対し、不安に感じることがあるかと思います。そこで先輩移住者である中野さんからアドバイスをいただきました。
「周りの人は自分の動きを良くも悪くも見てくれています。成果を出すと、『この前どこどこで見かけたよ!』と声をかけてくれたり、土地も貸してくれたり協力してくれます。最初のうちは『どこの何者?』と警戒されるけれど、素直に誠実に活動していれば協力的になってくれて、活動範囲も広がっていきます。最近では移住者も増え、地元の方も少しずつ慣れてきてくれています。地元のディープな情報はぜひ聞いてくださいね!
最後に
臼杵市にUターンして6年目に独立し、これまでの経験を活かしてさまざまな事に挑戦していく中野さん。取材中も「こんな事がしたい」「こんな事をもうすぐやる予定」など、どんどんアイディアが湧いている様子が印象的でした。臼杵市の色々なことを知っているので、移住を考えている方はまずは中野さんのところへ訪れて見ることをオススメします。地元である臼杵市を面白くしようとしている中野さんが手掛けるまちづくりに要注目です。