大分移住手帖

持ち前の行動力で憧れだった田舎暮らしを実現。伐株山から広がる可能性。

Kg

取材者情報

お名前
清武 直也
出身地・前住所
出身地:福岡県福岡市
前住所:大阪府大阪市
現住所
大分県玖珠郡玖珠町
年齢
27歳
家族構成
独身
職業
きりかぶ山憩いの森キャンプ場
Facebook
https://www.facebook.com/%E4%BC%90%E6%A0%AA%E5%B1%B1%E6%86%A9%E3%81%84%E3%81%AE%E6%A3%AE%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97%E5%A0%B4-106166892072679
Instagram
https://www.instagram.com/kirikabu_camp_55/

福岡市や大阪市での都会生活を経て、玖珠町へ移住した清武さん。若くして都市部の便利な暮らしではなく田舎暮らしを選んだ理由や、現在の日々の生活などをお聞きしたいと思い、彼が管理運営しているきりかぶ山憩いの森キャンプ場を訪ねました。

きりかぶ山憩いの森キャンプ場の母屋。繁忙期以外は清武さんが一人で管理運営しているそう。

田舎暮らしへの憧れ

実家のある福岡市で生まれ育ったという清武さん。都市部の現代的な暮らしに特段不便を感じる事はなかったものの、田舎への関心は漠然とあったそう。

清武さん : 大学進学まで福岡市の中心部で暮らしていましたが、高校生の頃から漠然と田舎暮らしへの憧れがありました。電車や交通機関の時間で生活が縛られている暮らしとは対極にある、スローライフを送りたいと思っていました。田舎は車で移動して、自分のペースで物事を決められるイメージがありました。

別府市にある大学への進学を機に大分県の魅力を知り、いずれは移住したいと感じたものの、タイミングは定年後を想像していたという清武さん。大学卒業後は、大阪市にある会社で3年間働いたそうです。

清武さん : 大阪市での生活も楽しかったのですが、日々生活するうちにお金を使わないと都会では遊べないと感じるようになりました。そんな時、ふと「退職後に大分県でゆっくりと余生を過ごしたい」と考えていた事を思い出し、いずれ移住するのであれば、若い今のうちの方が色々な事にチャレンジできると思い立ち、24歳で大分県への移住を決めました。

インターネットで大分県の情報を探した際に地域おこし協力隊という制度を知った清武さんは、持ち前の行動力で大分県内13市町村の移住担当課に連絡したそうです。その中でも、わざわざ大阪市まで会いに来て説明してくれた当時の玖珠町の移住担当者の熱意に惹かれ、接点などは全くなかったのですが移住を決めました。

清武さん : 玖珠町役場担当者が親切で熱意があった上に、玖珠町のことを知らなかったことを逆手にとって、ぐんぐんと成長していく玖珠町の力にもなれるのではないかと思い、魅力を感じました。

それまでの仕事の調整もあり、実際に移住したのは半年後だったそうですが、その間に玖珠町を案内してもらうなど人や地域などを知る事ができたので、移住に関する不安はなかったとの事です。

キャンプ場にある大浴場とトイレ

大浴場はシャワー完備

隅々まで掃除されているトイレ

きりかぶ山憩いの森キャンプ場の管理人になるまで

地域おこし協力隊の制度を活用しつつ、チャレンジしたい事を探した清武さん。

清武さん : 各市町村で仕事内容などは違いますが、地域おこし協力隊として3年間働き固定給を貰いながら地域にも馴染み、しっかりと定住の準備ができて大変助かりました。

とはいえ、地域おこし協力隊の任期終了後までに、自分のやりたい仕事を見つけて働けるのかとにかく不安でした。とりあえず大分県に住みたいという勢いだけで移住したので、任期終了後の仕事は全く決まっていませんでした。

そんな清武さんが現在の仕事に就くきっかけをお聞きしました。

清武さん : 玖珠町を一望できる伐株山が好きで、それに関わる仕事がしたいと思うようになりました。更に、アウトドアが好きだったので、地域の人にそれを伝えたところ、きりかぶ山憩いの森キャンプ場の管理運営人を探しているという話を教えて頂き、そして、すぐにアポを入れて15分後には前の管理人さんに会いに行って、無事に定住に繋げる事が出来ました。

こうして、やりたい事を見つけた清武さんですが、苦労した事がなかったかお聞きすると…

清武さん : 地域おこし協力隊の制度のおかげで、働きながら今のキャンプ場の管理・運営を行う準備ができたので、本当にありがたいと感じています。ただ、大阪市で会社員をしていた頃はかなり稼いでいたため収入の差があり、移住1年目の税金が高くて驚きました(笑)

現在は伐株山憩いの森キャンプ場の管理運営を任されているだけでなく、伐株山の管理も行い、収入もしっかりと確保できているそうです。

清武さん : 会社員は言われた事をやれば給料が保証されていて、頑張ってもサボってもあまり変わらないというか。それと比べると、現在の仕事は自分が頑張った分の結果が出ますし、逆にやらないと何もありません。主体的にしっかりと考えて行動し、事業を拡大していきたいです。難しい点もありますが、今後に向けて町外をはじめ県外からどれだけお客さんを呼び込めるか、しっかりアプローチをしなければいけないと考えています。

キャンプ初心者向けに機材レンタルも

レンタル用のテント

本格的な機材レンタルも準備されている

玖珠町での暮らし

現在は玖珠町のアパートで一人暮らしをしている清武さん。移住の際にどうやって家を見つけたのかお聞きしました。

清武さん : 地域おこし協力隊で赴任した際は、玖珠町がアパートを準備してくれました。任期終了後の住居は、町内の親しい先輩が所有している空き物件を紹介してもらい、スムーズに引っ越せました。町の中心部に住んでいるのですが、仕事場は山奥なので非常に良い塩梅で生活しています。

大阪市で生活していた頃は、マンションの隣人の顔も知らなかったし興味もなかったという清武さん。現在は一転して、人との関わりを大切にしているそうです。

清武さん : 都会の生活では人間関係が希薄でしたが、ここは濃くて色々な方が気軽に声をかけてくれます。田舎ならではかもしれませんが、野菜を頂くこともよくあります。いつも誰かと接していてプライベートな時間がないので、慣れるまで多少時間はかかるかもしれませんし、人によって良し悪しがあるかと思いますが、私は周囲と良い関係が築けました。今では人付き合いの楽しさを知る事ができたと思っています。

また、都会と比べて時間にゆとりができ、気持ちのオンオフの切り替えが上手くなったと実感しています。

キャンプサイト

キャンプサイトにある炊事場

町を盛り上げる一員として

玖珠町は田舎ではあるけれどもコンビニ・スーパー・病院なども複数あり、「ちょうどいい田舎」を体現しやすい町だと話す清武さん。移住後は良い意味で周りからの刺激を受けるようになったそうです。

清武さん : 移住前は田舎独特の閉鎖感など少し心配していましたが、皆さんに温かく迎え入れてもらうことが出来ました。先輩移住者の方から町で色々な事に取り組んでいる地域住民の方々を紹介して頂き、自分ができる事の幅も広がったと思います。この町にはとにかく情熱的な人が多いです!その影響で自分も積極的に行動できるようになれたので、今後は玖珠町を盛り上げる一員としても頑張りたいです。

日田市や九重町より知名度は低いかもしれませんが、だからこそ今後盛り上げようという方が多いのではと思いますし、この町はこうあるべきという思い込みがほとんどない気がします。これからの町の発展や進化に、情熱を持った方が直接関与できる面白さがあると感じています。小さな町なので何もしなければゆっくりと衰退していくかもしれませんが、志を同じくする皆さんと町づくりを行い、より良い方向へ変えていきたいです。

キャンプ体験の写真

キャンプ初心者方がアウトドアクッキングにチャレンジして出来上がったカレー

今後も玖珠町で色々な事に取り組みたいという清武さんに、未来に向けての展望をお聞きしました。

清武さん : きりかぶ山憩いの森キャンプ場は山の中にありますが、立地が良く通行量が多い場所です。熊本ナンバーや福岡ナンバーなど県外からの来訪者も多く、土日はひっきりなしに車が行き交うなど、初心者でも寄り付きやすい場所にあります。潜在的なニーズは高いと感じますので、テントの貼り方・焚き火の起こし方・薪の割り方などをレクチャーする初心者向けのキャンプ体験講座を定期的に行うなど安心して楽しめる環境づくりに取り組み、この場所を好きになってもらえる活動に力を入れたいです。

キャンプサイトを使用したイベントの際の一コマ

また、現在は受付やレンタル機材の保管場所となっている母屋を活用し、カフェや物販ができるように整備し、気軽に立ち寄れる場としても発展させていきたいです。

伐株山についても、以前は玖珠城で現在は公園となっている見晴らしの良い山頂には、合計88体のお地蔵さんが設置されていたり、パラグライダー体験や通称「ハイジブランコ」と呼ばれている高さ4.5mの巨大なブランコが設置されているなど、魅力的なコンテンツが溢れていると感じでいます。伐株山全体を遊べる場所として発展させ、もっともっと有名にしたいと思います。

綺麗に整備されたロッジ

ロッジ内部

これから移住を考えている皆さんへアドバイス

移住先の玖珠町で充実した日々を過ごしている清武さんに、これから移住したいと考えている皆さんへアドバイスを頂きました。

清武さん : 私のように勢いだけの移住でも、地域を愛し馴染めれば、地元の皆さんが必ず助けてくれます。そして、自分がやりたい事を周りに発信し続けて熱意を伝播させられれば、自然と仲間が増えていくと思います。

不安は必ずあると思いますが、移住してしまえばそれ以上の楽しい事や大きな発見があると思うので、小さな不安を抱え込むよりもとりあえず行動してみると良いと思います。

二階建てのコテージ

コテージ内部

最後に

清武さんが高校生の頃に漠然と抱いた田舎暮らしへの憧れは、玖珠町で現実のものとなり、新しい可能性として広がり続けています。勢いだけの移住のように見えて、類稀なる行動力と積極性で自らの道を切り開いていった彼の移住体験談は、これから移住したいと考えている皆さんの一助になると思います。玖珠町方面へ足を運んだ際は、ぜひきりかぶ山憩いの森キャンプ場を訪ねて、彼の体験談に耳を傾けてみてはいかがでしょう。きっと眩いばかりの自然と笑顔の彼が出迎えてくれます。

PHOTO

  • 持ち前の行動力で憧れだった田舎暮らしを実現。伐株山から広がる可能性。
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WRITER 記事を書いた人

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株式会社モアモスト 取締役・一般社団法人まち元気おおいた 理事・Pdw 代表として、サイト・DTP・DTMなどディレクション〜制作をはじめ、ライターや撮影などの業務に従事。大分市府内5番街商店街振興組合の理事として、まちづくりにも携わる。

SC-RECS.com・クラブイベントインフォ・SCLS・DubRize・PLay・合同写真展などを主宰し、各種イベントのオーガナイズからDJやマシンライブなどまで展開中。テルミン使い。

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