大分移住手帖

離れたからこそ実感できた豊後大野市の魅力。国内外での暮らしを経て地元で輝こうと奮闘する日々。

Kg

取材者情報

お名前
黒木 香緒理
出身地・前住所
横浜市・石垣島・オーストラリア
現住所
大分県豊後大野市三重町
年齢
35歳
家族構成
父・母・姉・妹
職業
フリーランス
Facebook
https://www.facebook.com/kaorin.k/

豊後大野市で生まれ育ち、進学を機に上京しそのまま就職してキャリアを重ねていった黒木さん。都会や海外での暮らしを経て、地元の良さに気づきUターンしました。様々な土地で暮らした彼女だからこそわかるそれぞれの良いところ・悪いところなどを聞きたいと思い、黒木さんの元を訪ねました。

オーストラリアのロードトリップでの一コマ

都会での生活から海外経由でUターンに至るまで

地元である豊後大野市で高校まで過ごし、短大進学を機に横浜市に移住した黒木さん。短大卒業後も地元に帰る気はなく、プランナーという職種に憧れていた事もあり、最初の就職は東京都にあるブライダル関係の企業だったそう。

黒木さん : 新横浜のオフィスやブライダル会場に通い、2年ほど忙しく働いていました。そのうちご縁があり、フレッシュハンドメイドコスメを取り扱うLUSHに転職しました。 当初はバイトからスタートしましたが、しっかり結果を積み重ねたことで社員になり、更にキャリアアップしてマネージャーとして店舗のマネジメントやオーガナイズ、スタッフ育成に取り組みました。

責任あるポジションに着き、イギリスにあるLUSH本社への出張が増えたため、英語が話せるようになりたいと考えた黒木さん。

イギリスで開催されたLUSHのパーティーにて

黒木さん : 私が担当していたLUSHのお店が国内にある全店舗の中で売上伸び率一位を獲得できた事もあり、次は海外のLUSHで働きたいと考えるようになりました。イギリスに出張した際に、マネージャーに直談判しましたが、ネイティブのように話せるようにもっと英語力を磨かないとビザを下ろすのは難しいと言われてしまい…

こうして黒木さんは英語をしっかり学ぶため海外留学を決意し、8年務めたLUSHを退職し、留学費用のため石垣島に住み込みで働いて1年半で120万円貯めたそう。

黒木さん : 年齢制限の壁もあり、ビザが取得しやすいオーストラリアに申請して、31歳で現地に向かいました。全国でも晴天の日数が多い大分県で生まれ育ったので、天候に恵まれているオーストラリアで良かったと思います。

オーストラリアで働いたLUSHの仲間と

オーストラリアでもライバル全員がネイティブスピーカーの中、177人中2人採用という狭き門をくぐり抜け、慣れ親しんだLUSHで働きつつ、日本食レストランでも半年で昨対比売上200%を達成するなど、マネジメントの経験を活かして仕事の面で活躍した黒木さん。プライベートでオーストラリア内の各地域に足を運ぶなど、海外生活をアクティブに楽しんだ中で、新たな想いに駆られたとの事です。

オーストラリアの友人と

黒木さん : 国内外に住んでみた結果、どの場所にもその土地に根を張り誇りを持って暮らしている人がいて、輝いて見えました。それに引き換え、私は地元について何もわからないなと。大分県や豊後大野市の事をもっと知って、国内外の各地でできた友人が遊びに来た時に、誇れる場所として案内したい。そして友人達が足を運びたくなる場所にしたいと考えるようになりました。

こうして黒木さんは帰国後にUターンする事に決めました。

八百屋で店長として働いていた際

婚活のつもりがマネージャーに

Uターンしたものの、仕事や収入面、価値観の合う仲間ができるかなど不安を感じていたという黒木さんでしたが、縁があって仕事はすぐに確保できたそうです。

黒木さん : 偶然ですが、中学の同級生が新規事業として大分市中心部の商業施設に八百屋さんを立ち上げようとしていました。当初は、大分に帰ってくるのならこのタイミングで結婚して子供を産みたいなと考えていた事もあり、まずはパートで雇ってもらって、旦那さんを探そうと思っていました(笑)。

ところが、売上を上げるためのデータ分析をはじめ導線やディスプレイ、レジの操作管理など、今までの知識や経験を活かして結果を出した結果、1ヶ月で社員、5ヶ月後には店舗のマネージャーを任せていただくことになりました。東京で働いていた時より収入は減りましたが、実力主義のオーナーだったので、成果に応じて給与を上げてもらえました。もともと仕事人間だったので、こんなやりがいのある仕事に出会えたのはラッキーでしたね。楽しく働かせてもらいました。

竹田市のシェアハウスにて友達と

田舎暮らしでの戸惑い

仕事のため大分市内にも1年住んでいたという黒木さんですが、事業撤退に伴う閉店により豊後大野市に移住し、現在は大分市内のIT企業で働きながら、フリーランスとしても活躍されています。

黒木さん : リモートワークで働ける企業ということもあり、今は豊後大野市の実家で暮らしています。ただ、仕事の関係で県内外の色々な場所に足を運ぶため、シェアハウスを利用するなど各地を転々としています。

オフィスで仕事中の黒木さん

今までの都市部での生活から一転しての田舎暮らしには、戸惑いもあるそうです。

黒木さん : 都会に住んでいた頃は、テレビで見て気になった商品は店に足を運ぶなどして購入できていましたが、田舎では手に入らずネットで買うしか方法がないので、そういう面では不便だと感じます。

他にも、都会で街を歩いていて知り合いに会える確率はほとんどありませんが、田舎ではだいたい知り合いだったりします。父が顔が広い上に私にそっくりなので、飲みに出てるだけで「ひょっとして黒木さんの娘さん!?」と、知らないおじさんに話しかけられる事もあります(笑)。良くも悪くも、誰とでも繋がってしまう印象です。

そもそも都会は人に関心がないように感じていましたが、豊後大野市では見かけたら声を掛けるなど人間関係が濃い印象です。また、田舎ならではのグループなどの縛りがあるようにも思います。

あと、地元では法事関係の行事がこんなに多かったのかと思いました(笑)。

大分県にUターンしてからも、様々な場所で交流を深めているそう

豊後大野市の魅力

様々な経験を経て豊後大野市で生活する中で、最近はその魅力を改めて感じるそうです。

黒木さん : 今は自然を楽しむ時間が圧倒的に増えました。小さい頃は近所にある井崎川でよく遊んでいたのですが、大人になってすっかり疎遠になっていました。ところが、豊後大野市で盛んなサウナのおかげで再び足を運ぶようになり、昔の思い出と共に、自然に恵まれた豊後大野市の良さを再発見できたと思います。他にも、ランチでテラス席を選ぶことも増えたし、お弁当を持って出かけたり、仕事も外のお日様の下ですることもあります。

大分県は2020年の都道府県別「女性の幸福度」ランキングで3位なほど、女性にとって暮らしやすい場所です。家庭や趣味など今の自分が持っていない新たな価値観があるかもと興味を持っています。

最近になって価値観を共有できる仲間も増え、楽しい時間が日々更新され、凄く充実した毎日を送っています。

旅する学校おおいたの卒業式での一コマ

大分県の各地域における地域商業の活性化に取り組み始めた、もしくは取り組もうとしている若者・企業及び自治体職員等の次代を担うまちづくり人材の発掘・育成・交流を目的とする移動型スクールである「旅する学校おおいた」で学び、豊後大野市を盛り上げようと意気込む黒木さん。

その一方で、暮らしの中の問題点も感じているそうです。

黒木さん : 病院や飲食店などについて、情報が少ないと感じます。ネットで調べても口コミなどの評価が少ないため、なかなか足を運ぶまでには至りません。そのためか、わざわざ大分市にある評判の良い病院に通う方も多いです。同様に、食材が新鮮で美味しい飲食店もあるのですが、情報が少ないため機会損失に繋がっているのかもしれません。評価が少なく同業他社との競合もほとんどないため、現状維持で満足している側面もあると思います。

他にも、アイディアに溢れる地域のローカルヒーローや、素晴らしい企業はたくさんあるのに、高みを目指しスキルアップしながら働いてる方が少なく感じました。

これからは豊後大野市にしっかり根を張りつつ、地元が抱える様々な課題解決に取り組み、活動の場を広げていきたいと考えているそうです。

黒木さん : まず、私の実家は江戸時代に建てられた177年の歴史を持つ古民家ですので、父から受け継いだら、後世に向けて守っていきたいです。

また、私の今までの経験を踏まえて、海外留学をしたいとか、大分県に移住したいなど人生のターニングポイントを迎えた際に、適切なアドバイスができるような頼られる人になりたいです。

大分県にUターンしてから色々な方に出会い感じたのは、素晴らしいアイディアを考えている社長や地域の方々はいるけれど、それを上手に現場に下ろすマネージャークラスの方が少なく、待ちの姿勢になってしまうスタッフが多いため、結果的に活かせていないということ。適切なマネジメントのアドバイスを通じて、地域社会全体のクオリティ・オブ・ライフをあげていくお手伝いができればと思います。

誕生会にて

移住希望者へアドバイス

都会や海外での暮らしの経験を活かして、地域社会に貢献しようと行動する黒木さんに、これから移住したいと考えている方へアドバイスを頂きました。

黒木さん : 移住したいと考えている候補地がある方は、活用できる補助金や各種制度があるか事前に行政にしっかり確認しましょう。私は知らずに制度を利用できませんでした…

住居についてですが、豊後大野市はマンションがほとんどありません。一軒家が多く、家同士の付き合いや隣保班があり、人付き合いは欠かせないですし、特に集落に住むのであれば、ご近所さんと仲良くしたいという人の方が向いていると思います。地域の方とコミュニケーションをとれたら、集まりやお祭りへの参加が楽しくなりますよ。

私の場合、子どもの頃から挨拶をしっかりする、遊びに行く際は手土産を持っていくなどと、礼儀作法に厳しく育てられたおかげで、Uターン後もそういう面では苦労しませんでした。田舎だからこそ、最低限の礼儀作法は必要だと思います。

また、田舎は車が必要ですし悪路を走る事もあるので、運転の練習は大事ですね!私も父を助手席に乗せて経験を積みましました!主要道路以外では、道幅が狭い場合もあるので、車種はコンパクトな車が良いかと思います(笑)。

若いうちに視野を広げるために一度地元を離れて、様々な経験を重ねる事は大切だと思います。私のように帰ってくる場所があるのは幸せな事です。大分県に移住したいと考えている方は、みんなで自慢の大分県を一緒に作っていけたら嬉しいです!

タイ・べトナム旅行での一枚

最後に

都会だけでなく海外での生活を送る事で、幅広い視野と様々な経験を得た結果、Uターンして地元の魅力を再発見するに至った黒木さん。豊後大野市を中心に地域の活性化に取り組もうと積極的に活動する姿は、住む場所はもちろんですが何をしたいかが大切だと教えてくれました。これからも豊後大野市の豊かな自然と眩い太陽の下で奮闘するであろう彼女の姿を追いかけたいと思います。

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  • 離れたからこそ実感できた豊後大野市の魅力。国内外での暮らしを経て地元で輝こうと奮闘する日々。
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WRITER 記事を書いた人

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株式会社モアモスト 取締役・一般社団法人まち元気おおいた 理事・Pdw 代表として、サイト・DTP・DTMなどディレクション〜制作をはじめ、ライターや撮影などの業務に従事。大分市府内5番街商店街振興組合の理事として、まちづくりにも携わる。

SC-RECS.com・クラブイベントインフォ・SCLS・DubRize・PLay・合同写真展などを主宰し、各種イベントのオーガナイズからDJやマシンライブなどまで展開中。テルミン使い。

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