大分移住手帖

移住先を探す旅に出て見つけた、海も山も望める丘の上。

Tomomi Imai

取材者情報

お名前
坪井崇・陽子
出身地・前住所
前住所:東京都世田谷区
出身地:崇・岡山県、陽子・神奈川県
現住所
日出町
家族構成
4人
職業
崇・大工

1年前の2021年に移住したばかりの坪井家。国内外旅をして、東京都の下北沢で暮らしを楽しんだ後、田舎に引っ越したいと思い、たどり着いたのは日出町でした。ゲストハウスを作るという夢を家族で追いながらも、日々の暮らしをまずは楽しもうという明るい坪井家の移住ストーリーをお聞きしました。

旅先のインドで出会い結婚し、東京で暮らす。

インドでお二人が旅をしていた頃

岡山県出身の崇さんと、神奈川県出身の陽子さんは、お互い旅好き。それぞれが旅をしている中、インドで出会い帰国後、東京で暮らし始め4年後に結婚。崇さんは下北沢の老舗バーの店長、陽子さんは会社員をしながら暮らしていたのだとか。

崇:下北沢は色んなカルチャーが面白いので、楽しく暮らしていました。ただ、少しずつ移住の気持ちが沸いては来てて。インドで出会った頃から、日本に帰ったら地方のどこかでゲストハウスをしながら暮らそうと話してはいました。人が集まれる場所を作りたかったんです。

移住先を探す旅に出る。

移住先を探す旅の途中でのお写真

子どもができたこともきっかけに、本格的に移住を考え始めた坪井家。最初は伊豆半島への移住を考えていたそうですが、関東近郊で無くても良いかもしれないと思うようになり、キャンピングカーを借りて日本各地を巡っては、移住先を探す3ヶ月の旅に出ました。

崇:九州には縁もゆかりもなかったけれど、2011年に国東市で行われた「虹の岬祭り」に参加するため大分県を訪れたことがありました

陽子:ずっと九州には興味があったので、東京で知り合った友人が福岡に帰ったこともあり、遊びに行ってみようと思ったんです。

旅中は、東京にいた頃の友人を頼って、知り合いが住む地域を巡ったという坪井家。豊後高田市にある「工房あめのちはれ」や宮崎県の方、旅中に出会った熊本県の方なども伝って、開門岳のある鹿児島県まで行ったのだとか。

条件に合う町に出会うも、あまり良い情報がなかった。

陽子:ゲストハウスを開業するのに、「海」「山」「温泉」が条件でした。そこで、別府市が候補に挙がったんです。交通の便も良いし、四国に友人も多いので、行きやすさも良い点でした。フェリーで大阪などにも行けるので、アクセスの良さは大きかったです。

別府市に標準を合わせた坪井家は、早速別府市の移住相談窓口に行きましたが、そこで言われたのは「うちは移住支援があまり充実していなくて。。」という言葉だったのだとか。実際に出してもらった空き家バンクに物件数もなく、子育て支援の情報もそれほどなかったそうです。

崇:僕たちのように、縁もゆかりもなく違う土地から来る時に、物件情報があったとしても、その家の周辺環境に関する情報が無いので、どんな場所なのか、想像しにくいです。最初は賃貸で考えていて、即入居できる家を探していました。

陽子:移住先を探していた頃、長女の小学校入学まであと1ヶ月を切っていました。入学準備を考えると急がねばならなかったんです。

自分たちの足で町も家も探して。

納屋に作った自作のブランコで遊ぶ。

別府市への移住がなかなか決まらず、色々な情報を調べる中で、日出町を知ったという坪井家。海に面していて、別府市にも近く、高速道路も鉄道もあり、アクセスも良いので候補に挙がったそうです。

崇:別府市にしよう!と決めてから一度東京に戻り、僕だけ改めて家を探すために1人で大分を再訪しました。2週間Airbnbを使いながら町を巡りました。最初は別府市を回りましたが候補になるような家がなく、調べていくうちに日出町を知りました。海にも近く、別府市にも行ける距離感が良いなと感じました。日出町も空き家バンクにはあまり良い情報はなかったですね。

陽子:東京にいる間は不動産のwebサイトなどを見ながら探しました。複数のサイトを見ましたが、出てくる情報はほとんど同じでした。古い家の情報はなかなかインターネット上には無いのだと感じました。

納屋もある広々した空間が広がる現在のお住まいを説明してくれるご家族。

2週間車で探し回って見つけた現在の物件は、大家さんが貸し目的で購入した物件で、リフォームもされてあり、オール電化になっていたそう。すぐに入居できる家という点でちょうどよかったと言います。日出町の家賃は大分県の中でも比較的高い方で、戸建ての平均賃料が5万円くらいなのだとか。

崇:家の情報を東京にいる妻に伝え、テレビ電話をしながらオンラインで内見もし、管理会社を通して契約を進めました。小学校が歩ける距離にあることはとても良い点でした。家の敷地に入る前の道は案外車通りがありますが、入り口が少し入り組んでいるので、小さい子どもがいる中では良い構造でした。いざ引っ越しの当日にまだ清掃が終わってないというトラブルはありましたが、大家さんもすぐに対応してくれて、入学式直前にようやく引っ越せました。

友人の祖父の家にあった箪笥を崇さんが塗装した

陽子:3月の中旬に決まったので、すぐに引っ越し業者を手配しましたが、この時期は年で一番引っ越しが多い時だったので、決めるまでにも一苦労でした。日出町は引越手当が引越代の半額で、最大20万円まで出るとのこと。私たちの引っ越しも40万円はかかったので、この補助金を活用しました。家族4人の引っ越しはやはり物の数が多く、東京で住んでいた町も、引っ越し先も道が狭かったために、2tトラックから大きな道に停めた4tトラックへ荷物を乗せ替え、到着後また4tトラックから2tトラックへ乗せ替えるなどしながら運んだそうです。

シャワーの水圧トラブルがあったことで大家さんが修理してくれたお風呂。

東京都で暮らしていた頃は2DK駐車場なしの物件でしたが、前の家賃の半分になり、現在の家は5DKと納屋付き駐車場付きという広さの違いのおかげで、子どもたちものびのびいられることに良さを感じているそうです。家庭菜園も隙間を利用して始めたりと、移住1年目でも楽しそうな暮らしが伝わってきます。

崇:オール電化だったので、電気コンロが引っかかるところでしたが、僕は料理が好きなので、どうしてもガスコンロにしたい!と、契約前に相談して許可をもらいました。また、web上で見た時には納屋と後ろにある平地は載っていなくて、実際に現地に来て知ったんですよ。

引っ越してからの仕事探し。

出店時に使う屋号「そらとあお」

岡山県で家具職人をし、東京都ではイベントなどの舞台を作る大工、下北沢のバーで店長などをしてきた器用な崇さん。畑などもやりたかったのもあり、仕事をどう探そうか考えていた頃、近くにあったカフェ「kamenos」を訪れ、相談したところ、オーナーが所有している空いていた畑を貸してもらえたそう。秋頃までは畑に集中していたという崇さん。

崇:旅中で出会った森の電気屋ボルタという事業所のお手伝いに行ったり、そこでイベント出店や、別府湾のしらす漁の紹介をしてもらって、週に1、2回は漁のバイトをさせてもらいました。漁では鯛などの地魚をよく貰い、助かっていました。イベント出店では杵築市にある「ノラの方舟」というところで、ホットサンドとチャイ屋としてよく出店させてもらっています。旅中から国東半島に移住してきた先輩たちと関わっていたので、仕事探しなど色々相談に乗ってもらいながら、今に至ります。今はその繋がりで大工仕事も紹介してもらいました。

陽子:出来れば、近くでお世話になってるカフェ「kamenos」で働きたかったのですが、子育てとの兼ね合いでフルでは難しく、たまにお手伝いに行かせてもらっています。最近お誘いがあり、「工房あめのちはれ」に週1〜2回通いつつ、他の仕事も決まって掛け持ちしています。2人で働いているけれど、家族4人の暮らしとなると、仕事面はもう少し整えたいところですね。

苗も自分で育てている

初めて畑で作った玉ねぎ

東京都で使えた携帯電話会社が繋がらず。

現在は仕事場がある豊後高田市まで片道1時間以上かけて通っている崇さん。山道を通ることもあり、移住してびっくりしたことの1つに、携帯電話の繋がらなさもあったそうです。

崇:東京都で使えた携帯電話のキャリアが、こっちに来てほぼ使えないことにびっくりしました。通勤中に電波が繋がらないがために、妻と連絡が取れないこともあり、この点にはびっくりしましたね。

子どもが多いので学童には入れず。

坪井家が住む地域は子どもが比較的多く、児童クラブは満員で入れず、仕事の幅を広げることが難しいそうです。保育園や幼稚園は、仕事の時間数に応じて条件が変わるので、このバランスが悩みなのだとか。

陽子:小学校の横にある公民館では、ママ同士で見守るような場所があり、16:30までは無料で預かってくれるので、助かっています。東京都で住んでいた地域では働く場所も多くあったので、比較的入りやすかったのですが、ここにきて学童で困るとはとびっくりしましたね。

子育てにはとても良い環境。開発の手が心配。

楽しく遊ぶ子どもたちはとても元気。

小学校入学と共に引っ越してきたので、保育園の仲間などと別れて最初は寂しがっていた長女も、あっという間に友達ができて毎日楽しいとのこと。ご近所も、回覧板を回す先がおばあちゃんで、子どもが届けに行く度にアイスクリームをくれるなど、とても良くしてくれるそうです。

崇:畑をやっていると言えば、これを植えてみてと隣の畑の方達が苗をくれたりします。子どもにとっても安心できる地域なので、暮らしやすいですね。車も車検前のものを譲ってもらえたり、助かっています。また、仕事などを通じて、大分県に限らず熊本県にも知り合いが増えたりと、まだ移住1年ですが、繋がりは結構できましたね。

日出町は別府市のベッドタウンにもなっていて、徐々に開発が進み、畑なども減ってはきている面で、この環境が壊れてしまうのではという懸念もあるそうです。また、自宅の上の山からは湧き水が沸いている場所があり、町の人もよく汲みに行くそうですが、その山の土地を開発してメガソーラーが設置される工事が進んでおり、それによって自然環境が変わってしまうことににも、かなり心配をしているようです。

崇:開発によって、マムシやイノシシが下の集落まで降りてきてしまっているとも聞いています。実際、自分の畑のカボチャやサツマイモも被害にあってます。

ゲストハウスを夢に持ちながら、日々を楽しむ。

自作の縁側。とにかく終始和気藹々として楽しい坪井家。

移住して1年で、自分たちの暮らしの安定に奔走する坪井家にはゲストハウスを作る夢がありますが、まずは日々を楽しむことに重点をおいていると言います。また、郷にいれば郷に従えの精神で、子ども会や地域の活動にはできる範囲で積極的に参加しているそうです。

崇:旅の中でも、その土地毎にルールや文化があるのは学んでいて、移住も同じだと感じます。住んでいる中で色々な情報や繋がりもできていくし、その中でゲストハウス作りに通じる情報も少しずつ集めて行けたらと思っています。お金は確かに重要ですが、無くても豊かに生きていける方がいいなと思っています。

陽子:繋がっていく中での縁を大切にできたらいいなと思っています。まだ子どもも小さいので、今はまず日々の暮らしを楽しみたいですね。

最後に

縁もゆかりもない中で、友人を伝って自らの足で探し当てた日出町という移住先。移住1年目で仕事などまだまだ苦労は多い中でも、焦らず自分たちのペースで、まずは日常を楽しむという雰囲気がとても心地よかったです。人が集まるところを作りたいという夫婦の思いを胸に、子どもたちがのびのび暮らせる環境を手に入れた坪井家の夢であるゲストハウス。出来上がる日を想いながら過ごす今の日々に、充実度を感じる時間でした。

WRITER 記事を書いた人

Tomomi Imai

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snufkiins LLC. 代表社員
離島移住計画 代表
Re-harmo PJ オーナー
25歳でフリーランスとして独立し、多様な分野にてプロデュースやディレクター業を経験。モノコトヒトをつなぐひと。多様な伴走を得意とする。国内外問わず事務局代行・企画編集など多様な業界を経て2018年に法人化。長崎県上五島にてキャンプ場兼カフェ「Re-harmo PJ」を展開し、島に仕事や場を作ったり。絶賛子育て中。ヨガ・サーフィン・音楽・映画・コーヒー・日曜大工が趣味。

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