大分移住手帖

人力俥夫として訪れた湯布院町での「おかえり」の言葉で移住を決意。大分県の魅力を伝えるために勉強の日々。

取材 : Kaori ライティング : Misaki

取材者情報

お名前
高階倫史(たかがいひとし)
出身地・前住所
京都府京都市右京区
現住所
大分県由布市湯布院町
年齢
36歳
家族構成
独身
Webサイト
https://tabiclass.jp/

前職の人力俥夫として浅草・嵐山・小樽・湯布院などを拠点に全国を回っていた高階さん。湯布院町の人の優しさに惹かれて移住し、現在は湯布院町で現地ツアーを企画運営する「旅くらす」でツアーガイドとして働いています。そんな高階さんが移住に至った経緯や現在の生活について伺いました。

人力俥夫の仕事で湯布院町を訪れた際の1枚

湯布院町以外はほとんど知らなかった

人力俥夫として全国各地を回っている際に湯布院町を知ったという高階さんは、仕事で訪れる度に「おかえり」と言ってくれる人の温かさに触れ、移住を決意したと話します。

高階さん:仕事で訪れた際は、疲れを取るために電車で大分駅前のサウナに足を運ぶ程度で、湯布院町外に行くことはほとんどありませんでした。

新型コロナウイルス感染症が流行している2020年に移住したため、新たな事業ができる状態ではなかったのですが、良いきっかけだと考えて、18市町村について知ろうと県内を回りました。例えば、湯布院町を訪れた観光客は町内だけで完結してしまいがちなので、他の市町村をもっと知って欲しいと感じていました。観光客がもっと自由に各市町村に足を伸ばせるように、湯布院町から車で70分程の竹田市岡城跡では綺麗な紅葉の写真が撮れますよとか、30分程の場所にはKIRIKABU HOUSEという伐株山のおしゃれな休憩所がありますよなど、各地の情報をInstagramを使って発信をしています。

色々な場所で沢山の人々と話すようになり、湯布院町というよりも大分県の県民性が自分にフィットしていると思います。元々、湯布院ラブでしたが今は大分ラブになっています(笑)。 

大分県のことが好きだと話してくれた高階さんですが、湯布院町ではなく他の市町村に住むという考えには至らなかったのか聞いてみました。

高階さん:竹田市や別府市、国東市など声を掛けてくれる人は沢山いましたが、湯布院町に恩義がありますし、中途半端に出ていくのは申し訳ないという気持ちもあったので湯布院町以外に住むことはあまり考えていませんでした。

現在はツアーガイドとして働いている高階さんですが、いつから起業しようと思っていたのか伺いました。

高階さん:2019年頃から起業する予定を立てており、由布院温泉観光協会会長の、太田慎太郎さんに話をしたら、太田さん自身も自転車のツアーガイド事業を広めたいと思っていたようで、応援してくれました。1年後に湯布院町に来る約束をして、1年間は自分にできることを準備し、現在は事業継承を前提に会社を作っていただき、従業員として経営のノウハウなどを勉強しているところです。

移住後も新型コロナウイルス感染症の流行が収まらなかったため、もし当初から自分で起業をしていたら二進も三進もいかない状況になったのではと感じています。また、仕事自体も売上重視ではなく「自分の好きなようにやっていい」と言ってもらえたので、未来の売り上げに繋がるような人脈作りや自分の経験・知識作りをすることができました。

太田さんは旅館の経営の傍ら、ピクルスショップをマネージメントしており、「旅くらす」はそこの店舗の半分を借りて運営しています。

自転車でツアーガイド中の1枚

積極的に行くのが繋がりを広げる秘訣

現在の住まいや地域との関わりについて伺ってみました。

高階さん:移住制度については何も知らず「とりあえず行けばいいや」と思っていたので、最低限の荷物を持って不動産屋に行き、家を決めました。

中心部から外れた湯布院駐屯地の近隣に住んでいますが、地域の人との付き合いもありますし、元気に挨拶をしていたら新しい人間関係も構築されていきました。自分は積極的に声を掛けていく方なので輪に入っていけますが、地域の方は「おいで、おいで!」という感じではなく、相手から来たら「ようこそ!」と迎えるような方ばかりなので、自分から挨拶等していくことが大切だと思います。また、飲みの場に足を運ばないと砕けた付き合いはできないかもしれません。

新緑をバックに撮った1枚

地元の人とも交流ができて毎日楽しい

移住後すぐに地域に打ち解けていったという高階さんですが、実際に住んでみて良かったことや大変だったことなどをお聞きしました。

高階さん:お世話になった太田さんの旅館が所有している田畑の手伝いや、地元の神社の神事に参加したり、地元の方々と交流できました。畑の手伝いをしていたこともあり、玄米や野菜を沢山もらっていて、今は家に60kgのお米があり、食べ切れるか心配になる程です(笑)。私は料理をしないので、おかずをいただくこともあります。広い町ではないのですぐに覚えてくれましたし、早い段階で打ち解けることができたので良かったと思います。また、湯布院町の情報発信のためにYouTubeで配信していた時期もあり、撮影のために行った場所でも知り合いが増えました。

湯布院町に移住して初めて住んでいた家が湿度96%だったので、木製家具や革製品が軒並みカビていくという現象が起きたり、寝ていたらムカデに噛まれるという体験をしましたが、大変だったことに関しては特にこれと言ったものはなく、毎日ハッピーです(笑)。強いて言えば、今はハイブリッド車に買い替えたので忘れていましたが、年間5万キロほど車で移動するので、以前はガソリン代が高いと感じていました(笑)。

人力車でバナナに扮したお客さんと共に

大分県はとにかく優しい人が多い

移住後に人の温かさに触れることが多い高階さんは、大分県や湯布院町の好きなところとして「みんなが優しいこと」だと話します。

高階さん:私はラッキーだけで生きていて何も持っていないのですが、みんな手を差し伸べてくれます。話し方がゆっくりで、まくしたてる言い方をする人もいないので優しく感じます。人から人へと繋げてくれていて、そのおかげで由布市だけでなく県内全域で人との繋がりが広がっていることを嬉しく思います。

沢山の人と関わる機会がある高階さんに、人の輪に入っていく際に心掛けていることについて聞いてみました。

高階さん:まずは、私のイメージカラーである”黄色・バナナ”で覚えてもらう事ですね。イメージカラーが黄色になった理由は、母親が関西出身で熱狂的な阪神ファンだというところにあります。私は寅年生まれのイニシャルがHTで阪神タイガースと同じで、小さい頃から黄色のものしか与えられませんでしたが、多感な時期になり自分で服を選び、黄色は避けるようになっていました。

しかし、20歳前になって、意図せず黄色を身に着けるタイミングが重なりました。

・スライドの携帯(黄色・ピンク・黒・白の4色展開)が欲しかったのですが、人気があり過ぎてお店に1色しか在庫がない状態で「どうせピンクだろうけど、何色でもいいから欲しい」と思って買いに行ったら黄色だったというスライド携帯事件。

・その後、ファッション雑誌を買って帰ったのですが、付録のベルト(黒・緑・黄色のいずれか)も黄色だったという付録ベルト事件。

・切符を買った際、切符には4桁の数字で来場者数が表してあって計算して10になったらいいといったゲームが流行っていて、やってみようと思って切符を見たら、「8773(バナナさん)やん!」と思った8773事件。

これらをきっかけに、黄色に導かれているんだと感じ、歩み寄るようになりました(笑)。

以前、フィリピンに語学留学に行った際にどうやったら現地の人と仲良くなれるかを考えて、「黄色だと弱いな…フィリピンといえばバナナだ!全身バナナコーデで行けば、英語や現地の言葉を喋ることができなくても仲良くなれるのではないか?」と思って行ったら、案の定仲良くなれたんです。そして、イングリッシュネームはバナナでした(笑)。その経験があったので大分県への移住の際はキャラ付けのためにバナナで来ました。

あとは、他の予定と被ってどうしても足を運べない場合以外は、声を掛けて頂いたら県内どこにでもすぐに行くようにしています。「鉄は熱いうちに打て」ではありませんが、この機会を逃したら次は話が来ないと思うので声掛けを大事にしています。そして、元気に挨拶をすることですね!

語学留学したフィリピンにて

移住希望者へメッセージ

高階さんが移住する際にお世話になった方についてお聞きしました。

高階さん:私は他力本願で生きているので、沢山の方々にお世話になりっぱなしですが、その中でも太田さんには大変良くしていただいています。特技は甘えることで、ご好意には預かると決めています(笑)。

地域の色々な方々に支えられているという高階さんに、これから移住しようと考えている方へ一言、力強いメッセージをいただきました。

高階さん:移住してきたら私が繋ぎます!困ったら連絡をください!!

由布院牛喰い絶叫大会」にて絶叫大賞を受賞

最後に

楽しそうに湯布院町での暮らしや大分県のことについて語る高階さんは、終始「大分県の人は優しい、温かい」「沢山の人との繋がりができて嬉しい」と話してくれました。そんな朗らかな高階さんの人柄で、様々な繋がりが広がってきたのではと感じました。彼のInstagramでは大分県内の素晴らしい景色や癒しのスポットなど様々な情報が発信されていますので、投稿の中から気になる場所を見つけて、ぜひ大分県に足を運んでいただきたいです。

PHOTO

  • 人力俥夫として訪れた湯布院町での「おかえり」の言葉で移住を決意。大分県の魅力を伝えるために勉強の日々。
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WRITER 記事を書いた人

取材 : Kaori ライティング : Misaki

取材 : くろき かおり
豊後大野生まれ豊後大野育ち。高校卒業後は横浜・東京にて、外資コスメ会社で経営学・マネジメントを学ぶ。その後、石垣島・オーストラリアへの移住。オーストラリアでも同ブランドで勤務したのち、2019年に大分へUターン。現在はフリーランス。趣味は映画を見ること・旅行・サウナ。

ライティング : あべ みさき
東京生まれ大分育ちで、趣味は手芸。介護福祉士として働き、長男出産を機に退職。現在は、子育てをしながら在宅でライターとして働いている。

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