大分移住手帖

お墓掃除で地域貢献をしながら、自然に囲まれたゆったり暮らし。

Tomomi Imai

取材者情報

お名前
西村和也
出身地・前住所
前住所:兵庫県
出身地:大阪府
現住所
大分県杵築市
年齢
45歳
家族構成
4名
職業
石材メンテナンス業
Webサイト
https://westone-janitorial-service.business.site/

関西で生まれ育った西村さんは、オーストラリアやニュージーランドの大自然に囲まれた暮らしを経験した後、縁あって大分県杵築市へ移住しました。仕事の経験を活かしつつ、新たに始めた「お墓のお掃除」の仕事をメインに、見渡す限りの大自然の中で暮らしている西村さんに移住の経緯と現在のお仕事についてお聞きしました。

寝たきりになって人生を考え直す

学生時代は海外によく遊びに行っていた西村さん。卒業旅行でオーストラリアに行った際に2000万円あればプール付きの家が買えると聞いた時に驚いたのだそう。卒後後は自動車関連の企業に勤め、日々奮闘している頃に車の交通事故に遭い、寝たきりになったことがあるのだとか。この入院期間に、一生懸命働いても人生どうなるかわからないし、都会でどんなに頑張っても庭付き1戸建てが買えたら大成功なのだと思った時に、オーストラリアで感じた思いが蘇ったのだとか。

そこで、仕事を辞めて、ニュージーランドとオーストラリアへワーキングホリデーの制度を活用して向かったそうです。

西村さん:どちらの国でもシーズナルワーク=畑仕事をしながら、様々な町に暮らしました。まずニュージーランドに1年滞在し、30歳に。今しかできないことをしようと思い、オーストラリアへ行きました。ただ、その年は不作の年で仕事があまりなくて。バックパッカーホステルにいても仕事のない人たちが溢れていました。貯金がなくなっていく一方で悩んでいました。

自然の中でのびのび暮らすために農業研修に参加する

サラリーマンの家系に育ち、特に農業に精通していたわけではなかったものの、自然の中でのびのびとしながら暮らす方が自分らしいなと思ったのだとか。そんな頃に、日本で農業研修が各地にあることを知った西村さん。色々な方々に話を聞くと、農業だけで生計を立てるのは難しそうだけれど、関わりながら暮らせないかと考えるようになったそうです。

西村さん:農業研修は西日本を中心に参加しました。海外は楽しかったですが、徐々に日本の田舎で暮らしたいなと思っていました。田舎で暮らす中でどんな仕事をしようかと調べる中で、介護ならどこにでもありそうだと、老人介護の会社に入ってみて介護士の資格を取得しました。

そこで、ニュージーランドで仲良くなった友人を伝って、熊本県で開催されている農業研修に参加した西村さん。環境への憧れが少しあったそうです。30代は各地の農業研修に参加したり、介護施設で働いてみたりしながら過ごしたそうです。

親戚の縁が繋がって大分県への移住を決意

40代に差し掛かり、田舎移住を改めて視野に入れ始めた西村さん。ひょんなことで大分県で農業が盛んだと知りました。すると、自分の親戚にたまたま日出町出身の方がいて、祖父母の家が空き家になっている情報が入ってきたのだとか。

西村さん:誰も使っていないから、使っていいよと言ってもらったんです。竹藪だらけで整地は必要でしたが、その環境が気に入ったんです。

そこで、日出町と宇佐市を中心に仕事を探し始めた西村さんでしたが、多くは製造業ばかりだったと言います。ハローワークに足を運び、2017年年末に行政が開催したUIJターン合同説明会に参加するために、大分県に初めて来たそうです。海も山もあって、心地よいところで働ける環境なんだなと感じたのだとか。

西村さん:探している中で、福祉関係の施設の仕事が目に止まりました。内容が良かったので、2018年1月に面接のために初めて杵築市を訪れました。面接が終わったらその場で内定が出て、3月からお世話になることにあっという間に決まったんです。40歳になった年でした。

空き家バンクの対応が良かった

空き家バンクを通して購入した現在のご自宅

転職先が決まったことで、初めて杵築市について調べ始めた西村さん。当時車を持っていなかったので購入し、家を探すために空き家バンクに登録。その中で気になった物件へ問い合わせたそうです。現在住んでいるのは、その中で2件目に見学した家だと言います。

西村さん:杵築市はアパートが多いので、家探しのために2泊3日で来た際にいくつかピックアップして見てみました。条件が合うものはいくつかあったのでキープしつつ、戸建てを見学した時に「田舎暮らしがしたかったんだった」と思い出したんです。アパートだと都会暮らしとなんら変わらないなと。土地は広いし、環境は良いし、価格も手頃だったので、早速所有者の方と繋いでもらい、契約を進めました。

昭和56年に建てられた現在の家は、庭も土地も全て付いて600万円。西村さんが当時暮らしていた大阪府と兵庫県の県境あたりで同じような条件の家を買おうとしたら、何千万円もかかるため、その違いに驚いたそうです。

西村さん:杵築市のアパートは、ほとんどが月額1-2万円程度だったので、魅力的ではありました。需要より供給の方が多いからでしょうか。水道代込みの物件も結構ありました。いきなり大きな買い物は流石にできないので、購入することを前提に、まずは賃貸で暮らせないかお願いしました。優しい所有者さんだったので、月額2万円で貸していただけることになりました。

縁もゆかりも無い土地で家を探す上で、空き家バンクの担当者がとても良くしてくれたと言います。空き家バンクで家を借りたり買う場合、大家さんと直接交渉になりますが、価格交渉など難しい部分も一緒に間に入ってくれたそうです。

西村さん:空き家バンクの多くは売り物件として出ている場合がほとんどでしたが、いきなり知らない土地で大きな買い物をして暮らすのはハードルが高いため、まずは賃貸を希望でした。大家さんにその旨を交渉する上で、担当者が間に入ってくれたのはとても助かりました。その後売買に至る際、予算の関係で値下げを希望したところ、一緒に立ち会って下さって、スムーズに話が進められました。

広々とした庭

ご購入された家は、畑などをされていた広い庭がついており、草刈りは大変だけれど、過去に暮らされていたオーストラリアやニュージーランドのような自然に囲まれた暮らしを求めていたため、遠くまで広がる森林を見渡せる今の環境に大満足だとか。

また、冬は寒いと思われがちな大分県ですが、現在住われている場所は周りに遮るものが無いので日照時間が長く、雪は積もることが無いので、あまり寒さを感じたことは無いそうです。

購入後に変えたのは水回りとサッシと床の板張り、整地などリフォームには1000万円近く使ったそうです。それ以外の費用でかかったのは移動用の車の購入で、日々の生活費はそこまでかからないので、生活コストは下がったようです。

井戸の後と整地した一部

すぐに馴染めた杵築市暮らし

当時は井戸水。古過ぎないとはいえ、使い勝手が良いとはいえない部分があるなかで、3月の就職に向けて家を決め、移住しました。お湯の調整に苦労し、部屋が薄暗い中での単身暮らしの中、少しホームシックになったことも。

当時の通勤場所から家までは約2.5km。徒歩で通勤していたという西村さん。海沿いを歩ける心地よさに、徐々に良さを見つけていったそうです。文化の違いをそこまで感じなかったとか。

西村さん:最初に就職した際に名古屋に居たことがありますが、大阪からの距離はそちらの方が近いのに、味噌の味から何から違いましたが、大分県はそこまで大きな差があるわけではなかったので、味にすぐ馴染めました。言葉が全くわからない!ということもなかったです。車の運転の部分では少し違うところがありましたね。道が広いせいか、スピードが早いし、クラクションはあまり鳴らないし。でも特に違和感はありませんでした。

家族との時間を考えて「お墓のお掃除」で独立

見違えるように綺麗になるお墓の掃除仕事

大分県内に友人が増える中で、大分県が行っているお見合い応援活動であるOITAえんむを紹介され、登録してみることに。結婚は半ば諦めていたそうですが、この企画の中で良縁に恵まれ、晴れて移住3年目にご結婚されました。

その後、子どもに恵まれた西村さんは、仕事について再度考え直し、3年半勤めた会社を辞め、2021年に「お墓のお掃除の仕事」で独立しました。

西村さん:環境は良かったのですが、家族が増えた時に、当時働いていた福祉施設の給料では正直養っていけないと思ったんです。介護関係はサービス業に近いので、土日関係なく仕事があります。当時は妻も働いていましたが、子供を授かったのもあり、子育てを考えたら多少自由な時間が必要だと思いました。

そこで、独立を目指して、地域で需要が高そうだと見込んだ「お墓の掃除の仕事」を始めた西村さん。最初は当時勤めていた会社に勤務しながら、複業する形で始めましたが、片手間ではなかなかうまくいかなかったそう。そこで思い切って会社を辞めて、完全に独立した西村さん。まだ軌道には乗ってないと思いつつ、やりがいを既に感じているそうです。

西村さん:やればやるほど喜んでもらえるのでやり甲斐は既に感じています。ただ、営業をたくさんできているわけでは無いので、なかなかこれ一本でやっていくのは大変だなと感じてはいて。そこで、自動車関係の仕事経験を活かして、アルバイトを掛け持ちし始めています。自営業の苦しいところは収入のタイミングが不安定なところがまだ慣れないですね。

お墓の種類によりますが、地域がら立派なお墓が多いため、1週間で1箇所というペースが基本なのだとか。明治時代のお墓が新品かと思えるほど綺麗になりますが、石が経年変化などで繊細なため、ほぼ手作業で進める仕事なのだそうです。

西村さん:やり方によりますが、週2だけ通って行った場合は1ヶ月かかったり、自分の時間の掛け方によって急ぐことものんびりにもできます。1ヶ月3-4箇所のペースでできると生活できる程度に稼げるので、今後は営業もがんばりたいです。綺麗になれば地域に貢献できるし、高齢な方々の手の代わりにもなれる。共同墓地が案外多くて、誰も管理できてないお墓や、家族がメンテナンスできない距離にいるなど、案外需要は多いので、続けていきたいですね。田舎には仕事が少ないので、新しい仕事として作って、子供がいつか継げるような仕事にできたら良いなと思っています。

さまざまなタイプのお墓を掃除している

杵築市は暮らしやすいが、選択肢がもっとあると良い

生活のしやすさを尋ねたところ、今暮らしている地域は田舎ならではのしがらみなどもそこまでなく、自然環境が良く穏やかなので暮らしやすい一方、本屋が無かったり、洋服屋の種類が少なかったりするので、買い物のためにどうしても別府市まで出なくてはならないことが多いのが難点なのだとか。

西村さん:地元に根付いたスーパーはあるので食料品や日用品を買う分には苦労は無いですが、本や服など趣味のものを買いに出る場合は選択肢が少ないのが悩みです。商店街や大型スーパーが近くにはありません。別府市に行けばもちろんお店が多いのですが、そこにいくまでに車で片道1時間以上かかってしまいます。また、渋滞が多いので、買い物が1日仕事になってしまうので、気軽に立ち寄れるお店がもう少しあると、この町に暮らす楽しみが増えるのでは無いかなと思います。

最後に

お気に入りの庭を眺めながら、近くに公園は無いものの、家の敷地が公園のように木々で囲まれていて広いので、子供にはぜひ思う存分走り回って遊んで欲しいと語った西村さん。やりたいことがまだまだある中で、定年退職してからではなく、多少体力がある頃に移住して良かったそうです。新しく家族が増え、これから大変さも楽しみも増えていく中で自らの手で家や庭、お墓を綺麗にしながら作っていく暮らしがとても興味深いです。

WRITER 記事を書いた人

Tomomi Imai

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snufkiins LLC. 代表社員
離島移住計画 代表
Re-harmo PJ オーナー
25歳でフリーランスとして独立し、多様な分野にてプロデュースやディレクター業を経験。モノコトヒトをつなぐひと。多様な伴走を得意とする。国内外問わず事務局代行・企画編集など多様な業界を経て2018年に法人化。長崎県上五島にてキャンプ場兼カフェ「Re-harmo PJ」を展開し、島に仕事や場を作ったり。絶賛子育て中。ヨガ・サーフィン・音楽・映画・コーヒー・日曜大工が趣味。

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