大分移住手帖

リモートワークと共に始まった日本各地をめぐる旅を経て、辿り着いた竹田市のシェアハウスでの暮らし。

KAORI

取材者情報

お名前
青木春隆
出身地・前住所
東京都北区
現住所
大分県竹田市
年齢
29歳
Facebook
https://www.facebook.com/harutaka.aoki

2020年、新型コロナウイルスの流行と共にリモートワークになったため、アパートを解約し、日本全国様々な場所を1ヶ月〜数ヶ月単位で移動しながら過ごそうと、旅を始めた青木さん。京都で知り合ったAPUの大学生に紹介された、大分県竹田市にある”暮らす実験室IKIと出会い、そして大分県竹田市へ移住を決意したきっかけについてお話を伺いに行ってきました。

 

旅途中の青木さん

 

大分県竹田市との出会いと仕事

現在は株式会社キッチハイクに在籍し、リモートワークをしている青木さん。新型コロナウイルス前は、ごはんを一緒に食べたい人たちを様々なシーンでつなぐようなサービスの展開をし、食でつながる暮らしを作る事業をしていたそうです。当時は東京都田端から上野の職場に通い、仕事先でも自宅でも色んな人と一緒にごはんを食べることを楽しむ生活を送っていたとのこと。ところが、新型コロナウイルスの流行とともに、2020年の3月、サービスが全て停止しました。

青木さん:今振り返ると、会社の経営としては間違いなく危機的状況ではあったのですが、「こういうときこそ、誰かのために動けるチームでありたい」と社内で話し合っていました。その後、地方自治体から寄せられた様々な問題解決への依頼が増えたので事業化しました。具体的には、地域の生産者や食の事業者の支援を行なったり、関係人口創出のお手伝いをしました。それまで東京を中心とした仕事をしていたのですが、全国各地の方たちとお仕事させていただくことになったことで、これまで住んだことなかった地域に興味を持つようになりました。

これをきっかけに、青木さんのお仕事は完全にリモートワークになったそうです。そんな彼に、旅に出るようになったきっかけをお聞きしました。

青木さん:新型コロナウイルスが流行り出して一年近く経った頃に、当時一緒に暮らしていたパートナーが、兼ねてから望んでいた地元の宮城へ戻ったので、僕は全国を転々とする生活を始めることにしました。全国各地でお仕事をする中で、都会育ちの自分にとって、「地域の暮らしをもう少し手触りとして感じてみたい」と思っていました。株式会社キッチハイクの仲間からも背中を押してもらいました。

その後は、北海道、宮城、埼玉、神奈川、京都、広島、福岡、大分と約一ヶ月ごとに点々とした青木さん。暮らしに触れたいということで、友人知人の紹介で次に行く場所を決め、その地域の人達と暮らせる場所を選んだそうです。

 

大分県を訪れたキッチハイクの上司と豊後大野市の川で遊ぶ青木さん

 

移住に至る経緯・大分県に決めた理由

もともと定住するつもりはなかったという青木さん。日本各地を巡る旅から、竹田市への移住を決めた理由について、お聞きしました。

青木さん:最初は1ヶ月だけ滞在するつもりで来たんです。その時は落ち込んでいた時期だったのですが、IKIのオーナーである市原夫妻がとにかくおもしろくて、元気をたくさんもらいました。子どもたちも可愛くておもしろくて、一緒に過ごしていて温かい気持ちになりました。そのうち期限を決めずにここにいたいと思うようになり、市原夫妻に相談して了承をいただき、初滞在から8ヶ月で住民票を竹田市に移すことに決めました。

理由を言語化するのはすごく難しいのですが、居心地がとにかく良かったんです。正直に言うと、”竹田市がよかった決め手”みたいなのがあるわけではなく、”IKIに住みたい”と思っての決断でした。大分の良さを知れたり、近隣の市町村が好きになったのも、IKIで出会った人たちが色々な場所に連れて行ってくれたり、魅力をたくさん教えてくれたからだと思います。川やアウトドアサウナ、ここにしかない楽しみに出会うことができました。

 

老野湧水で湧き水を汲む青木さん(IKIで使用する飲水)

 

リモートワークと新規事業

最初は食でつながる事業をしていた青木さんですが、現在は”保育園留学”を担当しています。

青木さん:コロナが世に広まりだした時、弊社の代表が北海道にワーケーションで行くことになったのがきっかけです。弊社の別のお仕事で、北海道檜山郡厚沢部町とお付き合いがあり、その町について調べると、感動的で素敵なこども園を見つけたそうです。そこで、こども園の方、お試し住宅運営者とつないでもらい、「子どもを預けてワーケーションができないか」「家族全員で滞在できないか」と滞在について設計させてもらったそうです。代表自らが体験して「これは間違いなく子どもにとって良い体験で、家族もハッピー、町の人も凄く喜んでくれた」ということで事業化しました。

今では予約待ちが絶えないほど人気で、問い合わせも多いという保育園留学。青木さんが担当する中で実際に現地に足を運ぶ機会が多いようですが、竹田市でのリモートワークにおいて不便な点がないかお尋ねしました。

青木さん:移動だけは不便だと感じますね。豊後竹田駅前の温泉花水月の前からバスで熊本空港まで行けるのですが、本数も1日5本と少ないですし、2時間ほどかかってしまいます。大分市内までのJRも少なく、車を持っていない生活は、移動にかなり苦労しますので、車の購入を検討中です。

 

暮らす実験室IKIリビングでの集合写真

 

地域について、竹田市での暮らしについて

大分県の魅力を日々発見し、まだ足を運んだことのない大分県内すべての市町村に行ってみたいと話してくれた青木さんですが、竹田市での暮らしや実際に住んでみて困っていることなどについてお聞きしました。

青木さん:竹田市には素敵な図書館やジムなどはあるのですが、歯科医院と美容室は遠出しないと行けないので、大変だなぁと少し感じています。病院系は情報も少ないです。人間関係はじんわり広がったら良いし、今のままでもとても気持ちよく過ごしています。各地を巡って来た分いくつも繋がりがあるから、竹田市だけで全部満たそうとしないことも、心地よく過ごせる一つの理由かもしれないですね。他にも仕事のコミュニティがあるので、不便には思いません。髪の毛も短めに切って次までのスパンを長くしたり、対応方法はありますので、いうほど困っていません。

竹田市で暮らすまで、”都会以外に住む”という選択肢はなかったという青木さん。「いつか東京に帰るのだろうか、それとも旅のような暮らしをもう少し続けるのかな」と考えていたそうですが竹田市とIKIでの生活を楽しんでいるうちに、「ここでの暮らしをスタンダードにしたい」と思うようになったと話してくれました。

青木さん:自分の中で何か価値観が変わったというより、地域を知らなかっただけ、出会ってなかっただけなのだと思いました。”暮らす実験室IKIは、自分たちでお米を育てたり、住居をリノベーションしたり、大きなことから小さなことまで新しい実験がたくさん生まれる場所です。でも、参加したいときだけ携われば良いので、マイペースだけど作ることが好き、楽しいことはなんでもやりたいという僕にとっては、ありがたすぎる環境です。そうしたこだわりと寛容さに感謝してます。

 

IKIの田んぼで田植えをする様子

 

移住希望者へアドバイス

青木さん:IKIにぜひ遊びに来てください!移住前に意気込みを入れすぎず、美味しいもの食べて出会いを重ねられたら「あれ、こっちの方がいいじゃん!」と感じてしまう瞬間があって、それは行ってみないとわからないんです。だから大分県の中でも色々なところに行ってみたらいいし、もしかしたら他の都道府県かも知れないし、瞬間とフィーリングを大事にしてください。一緒に楽しめたら良いですね!

 

秋生まれ合同のバースデーパーティの様子

 

最後に

竹田市に出会い、住んでみて実感したその場所の心地よさ。日々大分県の魅力に出会い、どんどん好きになるという青木さん。IKIとの出会いでたどり着いたこの場所をもっとたくさんの方にも知ってほしいと、仕事である保育園留学の大分県での実現を目指して活動されています。自分らしくマイペースであることを大事にしている青木さんの、飾らない笑顔と自然体の姿はとても生き生きしていました。これからの青木さんのお仕事での活躍や新しい発見から目が離せません。移住で悩むことがあれば、ぜひ彼の住む竹田市に足を運んで、肌身で感じてみると良いかもしれません。

 

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  • リモートワークと共に始まった日本各地をめぐる旅を経て、辿り着いた竹田市のシェアハウスでの暮らし。
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WRITER 記事を書いた人

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くろき かおり
豊後大野生まれ豊後大野育ち。高校卒業後は横浜・東京にて、外資コスメ会社で経営学・マネジメントを学ぶ。その後、石垣島・オーストラリアへの移住。オーストラリアでも同ブランドで勤務したのち、2019年に大分へUターン。趣味は映画を見ること・旅行・サウナ。

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